小場瀬 卓三(おばせ たくぞう、1906年5月12日 - 1977年11月12日)は、日本のフランス文学者、翻訳家。
(旧)東京都立大学名誉教授。
略歴
兵庫県生まれ。1927年甲南高等学校文科卒業、1930年東京帝国大学文学部仏文科卒業、1936年から1938年までパリに留学。東京都立大学教授、日本フランス語フランス文学会会長などを歴任。
ディドロ、モリエールを研究、16世紀から18世紀のフランスの思想・演劇について研究、ほかアラゴンの翻訳を含め、多くの著書訳書を著した。
著書
- 『フランス古典喜劇成立史 モリエール硏究』(生活社) 1948、のち法政大学出版局 1970
- 『近代精神』(世界評論社) 1949
- 『モリエール 論稿』第1 - 2輯(八雲書店・六興出版社) 1949
- 『モリエール 時代と思想』(日本評論社) 1949
- 『フランス・レアリスム研究序説』(世界評論社) 1950
- 『先駆者たち ディドロと百科全書』(日本評論社) 1950
- 『抵抗する知性 レジスタンス文学史』(三一書房) 1951
- 『文学史の方法』(理論社) 1956
- 『モリエールのドラマツルギー』(白水社) 1957
- 『演劇と演劇史の十字路で』(白水社) 1960
- 『デイドロ研究』上・中(白水社) 1961 - 1972
- 『光と綾 フランス文学の世界』(法政大学出版局) 1969
- 『ディドロ 百科全書にかけた生涯』(新日本文学社、新日本選書) 1972
- 『バロックと古典主義 十七世紀フランス文学史の諸問題』(白水社) 1978
共著編
- 『レジスタンス以後 現代フランス文学の展望』(渡辺淳共著、大月書店) 1951
- 『古典主義・浪漫主義』(北通文共著、三一書房、文芸思想史1) 1957
- 『演劇への道』(編、新日本新書) 1967
翻訳
- 「セビーリャの理髪師」「フィガロの結婚」
ドゥニ・ディドロ
- 『演劇論』(ドニス・デイドロ、弘文堂書房) 1940
- 『逆説 俳優について』(ディドロ、白水社) 1941
- 『自然の解釈に関する思索』(ディドロ、創元社) 1948
- 『ラモーの甥』(ディドロ、日本評論社) 1949、のち角川文庫
- 『運命論者ジャックとその主人』(ディドロ、筑摩書房、世界文学大系16) 1960
モリエール
- 『タルチュッフ』(モリエール、白水社、仏蘭西古典文庫)1944
- 『守銭奴』(モリエール、白水社、仏蘭西古典文庫)1948
- 『モリエール喜劇集』(モリエール、生活社) 1948 - 「タルテュッフ または 瞞着者」の翻訳を担当
- 「恋は医者」「ジョルジュ・ダンダン」(白水社、モリエール笑劇集』) 1959
ルイ・アラゴン
関連人物
脚注
- ^ 『著作集 第4巻 美学・美術 付・研究論集』(ドゥニ・ディドロ、共訳、法政大学出版局) 2013