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無法の世界

「無法の世界」
ザ・フーシングル
初出アルバム『フーズ・ネクスト
B面 アイ・ドント・イーヴン・ノウ・マイセルフ
リリース
規格 7インチ・シングル
録音 1971年4月 バークシャー、スターグローヴス、5月 ロンドン、オリンピック・スタジオ[2]
ジャンル ハードロック
時間
レーベル イギリスの旗 トラック・レコード
アメリカ合衆国の旗 デッカ・レコード
作詞・作曲 ピート・タウンゼント
プロデュース ザ・フー、グリン・ジョンズ
チャート最高順位
  • 9位(イギリス[3]
  • 15位(アメリカ[4]
ザ・フー シングル 年表
シー・ミー・フィール・ミー
(1970年)
無法の世界
(1971年)
ワイルド・アックション
(1971年)
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無法の世界」(Won't Get Fooled Again)は、イギリスロックバンドザ・フーの楽曲。1971年にシングルリリースされた。作詞・作曲はピート・タウンゼント。アルバム『フーズ・ネクスト』収録。

解説

ババ・オライリィ」同様、シンセサイザーを大胆に使用した、テクノハードロックを融合させた前衛的な曲。アルバム『フーズ・ネクスト』に先駆けてシングルリリースされた。演奏時間が8分半を越える大作だが、シングルバージョンは3分半程度に編集されている。イギリスでは「ピンボールの魔術師」以来のトップ10に入るヒットとなった。本作の宣伝広告には、コルセットをつけてを振るう女装姿のキース・ムーンの写真が使用された[5]

『フーズ・ネクスト』収録曲のほとんどがそうであるように、この曲もタウンゼントが企画したロック・オペラライフハウス」のために書かれた曲である[6]。本作のリリース時にはすでに「ライフハウス」の計画は白紙化されていたが、アメリカではシングルに「映画『ライフハウス』より」と記載されていた[7]。タウンゼントはこの曲の内容について「革命について異を唱えている歌だ。革命なんて長い目で見ればただの革命にすぎず、多くの人々が傷つくだけだ」としている[8]

1971年4月のロンドン、ヤング・ヴィック・シアターでの「ライフハウス」お披露目ライブで初めて演奏されて以降、ライブでは終盤の定番曲となっている[9]。1978年、キース・ムーンが生前に公共の場で最後に演奏した曲である。その模様はザ・フードキュメンタリー映画『キッズ・アー・オールライト』に収録された。

1980年代以後も、『ライヴ・エイド』や『コンサート・フォー・ニューヨーク・シティ』などでセットリストに取り入れられている。

2006年、アメリカの保守派総合誌ナショナル・レビューの「保守的なロックソング・ベスト50」で1位に選ばれた。タウンゼントはこの曲が「今は保守派に身を置く夢敗れた革命家たちのテーマソング」と評された事に怒り、自身のブログで反論している[10]

CBSで放送されていたドラマ「CSI:マイアミ」の主題歌にもなっている。

ローリング・ストーン』誌が選ぶ最も偉大な500曲において、295位にランクされている[11]

ちなみに、B面曲の「アイ・ドント・イーヴン・ノウ・マイセルフ」は、元々は1970年3月から5月にかけて行われた新アルバム(後に破棄された)のレコーディング時に製作された楽曲で[12]、同年8月のワイト島ロック・フェスティバルでも披露されている。「ライフハウス」とは無関係に作られた曲であるが、シングルリリースのために新たに再録された[7]

別バージョン

1971年3月に行われたニューヨークレコード・プラント・スタジオでのセッションで録音された初期バージョンが存在する。この初期バージョンはオリジナル・バージョンとシンセサイザーのパターンが異なるが、この時はテープ・ループを使用せず、VCS3を通したオルガンをリアルタイムで演奏した。曲の終盤でのロジャー・ダルトリーのシャウトがないのもオリジナル・バージョンとの大きな違いである。この初期バージョンは、2003年発表の『フーズ・ネクスト/デラックス・エディション』で初めて日の目を見た[9]

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脚注

  1. ^ a b 『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年、326頁。
  2. ^ 『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年、228頁。
  3. ^ WHO | full Official Chart History | Official Charts Company
  4. ^ The Who - Awards : AllMusic
  5. ^ 『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年、231頁。
  6. ^ レコード・コレクターズ増刊『ザ・フー アルティミット・ガイド』(2004年)78頁。
  7. ^ a b レコード・コレクターズ増刊『ザ・フー アルティミット・ガイド』(2004年)80頁。
  8. ^ 『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年、225頁。
  9. ^ a b CD『フーズ・ネクスト/デラックス・エディション』(2003年)付属の解説より。
  10. ^ 保守的ロックソング・ベスト50、1位はザ・フー「無法の世界」。
  11. ^ The 500 Greatest Songs of All Time” (英語). Rolling Stone (2021年9月15日). 2021年12月21日閲覧。
  12. ^ 『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年、209頁。
  13. ^ Henderson, Alex. “Diamonds Unlocked - Axel Rudi Pell”. AllMusic. 2015年10月11日閲覧。
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