礼文町(れぶんちょう)は、北海道北部、稚内市沿岸の西方約60km[1]の礼文島にある町。宗谷地方に属する。
町名の由来
地理
宗谷地方西部の日本海上にある礼文島の全域を占める。稚内市沿岸から西方60kmに位置し[1]、周囲72km、面積82平方km。北緯45度30分14秒・東経141度4分16秒に位置し日本最北端の町として知られる。北方領土を除いた場合の日本最北端である宗谷岬の行政管轄は市(稚内市)であり、択捉島(北方領土)は村なので、町としては最北端となる。
島は南北29km・東西8kmと南北に長く[2]、ほぼ逆三角形の形状。北部を船泊(ふなどまり)、南部を香深(かふか)と呼ぶ。島西部は断崖絶壁が続き、自動車、バイクでは島一周できない。島東部海岸には北海道道40号礼文島線が南北に走る。
気候
気候は宗谷暖流や偏西風の影響により緯度の割には比較的穏やかで、夏は涼しく冬は氷点下10℃前後までしか下がらない(夏期平均気温 6月:約13℃、7月:約17℃、8月:約20℃、 9月:約17℃)。
礼文(2003 - 2020)の気候
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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
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最高気温記録 °C (°F)
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6.9 (44.4)
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8.1 (46.6)
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11.0 (51.8)
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17.4 (63.3)
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21.8 (71.2)
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24.6 (76.3)
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30.5 (86.9)
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30.5 (86.9)
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29.0 (84.2)
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22.3 (72.1)
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16.1 (61)
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11.8 (53.2)
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30.5 (86.9)
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平均最高気温 °C (°F)
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−2.7 (27.1)
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−2.1 (28.2)
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1.7 (35.1)
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6.6 (43.9)
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11.6 (52.9)
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15.9 (60.6)
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20.4 (68.7)
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22.6 (72.7)
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20.5 (68.9)
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13.9 (57)
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6.1 (43)
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−0.3 (31.5)
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9.5 (49.1)
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日平均気温 °C (°F)
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−4.6 (23.7)
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−4.3 (24.3)
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−0.4 (31.3)
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4.1 (39.4)
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8.5 (47.3)
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12.8 (55)
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17.3 (63.1)
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19.7 (67.5)
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17.4 (63.3)
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11.2 (52.2)
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3.6 (38.5)
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−2.4 (27.7)
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6.9 (44.4)
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平均最低気温 °C (°F)
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−6.5 (20.3)
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−6.4 (20.5)
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−2.4 (27.7)
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1.8 (35.2)
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6.0 (42.8)
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10.3 (50.5)
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14.9 (58.8)
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17.3 (63.1)
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14.5 (58.1)
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8.4 (47.1)
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1.2 (34.2)
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−4.5 (23.9)
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4.5 (40.1)
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最低気温記録 °C (°F)
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−15.8 (3.6)
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−17.1 (1.2)
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−9.6 (14.7)
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−5.7 (21.7)
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0.2 (32.4)
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4.0 (39.2)
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8.1 (46.6)
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10.9 (51.6)
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5.8 (42.4)
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−1.1 (30)
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−11.4 (11.5)
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−13.4 (7.9)
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−17.1 (1.2)
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降水量 mm (inch)
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73.4 (2.89)
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51.6 (2.031)
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44.1 (1.736)
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49.2 (1.937)
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79.7 (3.138)
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84.6 (3.331)
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101.0 (3.976)
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138.6 (5.457)
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131.1 (5.161)
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100.4 (3.953)
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98.4 (3.874)
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91.5 (3.602)
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1,049.1 (41.303)
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平均降水日数 (≥1.0 mm)
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17.9
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14.4
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10.9
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8.7
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9.7
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9.6
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7.5
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8.9
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10.5
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11.6
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12.9
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16.2
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138.6
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平均月間日照時間
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47.5
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72.2
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153.8
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192.7
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170.4
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125.9
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126.5
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154.2
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186.7
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159.6
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82.0
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42.5
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1,514.3
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出典:気象庁
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隣接している自治体
島のため、隣接する自治体はなし。ただし、航路により以下の市町村と関係が深い。
歴史
行政
礼文町議会
[5]
- 議長:笹山啓
- 副議長:藤田敏春
- 議員定数:9
- 無会派:9
衆議院
歴代町長
- 初代~5代 向瀬貫三郎
- 6代~9代 関和夫
- 10代 安達謙三
- 11代~13代 中島忠明
- 14代~15代 小野徹
町組織
総務課、町民課、保健課、産業課、建設課
警察
消防
経済
産業
漁業と観光を基幹産業とする[6][7]。漁業では年間を通して海の幸に恵まれ、夏はエゾバフンウニ、利尻昆布、ホッケの産地として有名である。また礼文島はウニ丼の発祥地としても知られている。
「最北の離島」(北方領土を除く)として観光も盛んである。高緯度や冷涼な気候から、海抜ゼロメートル地帯より300種類以上[8]の高山植物が咲き乱れ「花の浮島」としても知られる[8]。礼文島西海岸の気候は東海岸が晴天の時でも西海岸に近づくにつれて次第に霧が濃くなり、立つことすらできないほどの強風が吹くこともある。このような気候条件が気温を低下させるため、そこに適応した種類だけが育ち、春の訪れとともに次々と花を咲かせる。夏季(6月頃~)にはレブンソウ、レブンアツモリソウ、レブンウスユキソウなど多くの礼文島固有の稀少な高山植物が咲き乱れ、咲く花の種類は2~3週間ごとに変化する。特にレブンアツモリソウはかつては全域に見られたが、盗掘により大きく数を減らし現在では「レブンアツモリソウ群生地」(保護区。北鉄府地区)以外ではほとんど見られない[9]。
漁協
金融機関
- 稚内信用金庫
- 礼文支店
- 礼文町役場船泊支所出張所(ATMコーナー)
郵便局
- 礼文香深郵便局(集配局)
- 香深井郵便局
- 船泊郵便局
コンビニ
姉妹都市・提携都市
国内
地域
人口
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礼文町と全国の年齢別人口分布(2005年)
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礼文町の年齢・男女別人口分布(2005年)
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■紫色 ― 礼文町 ■緑色 ― 日本全国
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■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
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礼文町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
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7,535人
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1975年(昭和50年)
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6,525人
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1980年(昭和55年)
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5,990人
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1985年(昭和60年)
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5,724人
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1990年(平成2年)
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5,121人
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1995年(平成7年)
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4,375人
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2000年(平成12年)
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3,856人
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2005年(平成17年)
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3,410人
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2010年(平成22年)
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3,078人
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2015年(平成27年)
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2,773人
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2020年(令和2年)
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2,509人
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総務省統計局 国勢調査より
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消滅集落
2015年国勢調査によれば、以下の集落は調査時点で人口0人の消滅集落となっている[10]。
- 礼文町 - 大字船泊村海馬島,大字船泊村字ウヱンナイ
教育
- 高等学校
- 中学校
- 小学校
- 礼文小学校
- 香深井小学校
- 船泊小学校
- 須古頓小学校('99)
- 元地小学校('04)
- 尺忍小学校('05)
- 上泊小学校('06)
- 内路小学校('06)
- 神崎小学校('16)
交通
空港
路線バス
- 宗谷バス
- 礼文営業所
- 礼文線:香深 - 船泊 - スコトン
- 元地線:香深 - 元地
- 知床線:香深 - 知床
道路
船舶
タクシー
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
文化財
- 礼文町船泊遺跡出土品 - 国の重要文化財、礼文町町民活動総合センター保管
- 礼文島出土の歯牙製女性像及び動物像 - 道指定有形文化財、長昌寺蔵、複製品は礼文町郷土資料館蔵[11]
- 礼文島桃岩付近一帯の野生植物 - 道指定天然記念物[11]
- レブンアツモリソウ群生地 - 道指定天然記念物[11]
祭事
- 花まつり(6月)
- 厳島神社祭(7月)
- 湖畔まつり(8月)
- 海峡まつり(8月)
観光
植物
礼文町に自生する植物300種以上(固有種、稀少種が含まれ学術的価値が高い)
など他多数
著名作品などの舞台
出身・ゆかりのある人物
出典
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
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