この項目では、自治体としての軽井沢について説明しています。
軽井沢町 (かるいざわまち)は、長野県 東信地方 の町 。北佐久郡 に属し、浅間山 東南麓に位置する。
19世紀 末からの高原 リゾート都市 であり、歴史ある避暑地 ・別荘地 として知られる[ 1] [ 2] [ 3] [ 4] 。
概要・特徴
1923年の旧軽井沢ゴルフクラブ (摂政宮 御一行)
1930年代の旧軽井沢メインストリート
町の北 側は森林 に広く覆われ、浅間山 や上信越高原国立公園 へと続いており、南 側は草原 や田園やゴルフ場 が多く分布し、雄大なパノラマ 風景が広がっている。町内には別荘 、教会 、リゾートホテル 、レストラン 、カフェ 、美術館 などが点在しており、年間を通じてハイキング 、サイクリング 、乗馬 、ドライブ 、ショッピング 、ガストロノミー (グルメ )などを楽しむことができ、夏 はゴルフ やテニス 、冬 はスキー やスケート といった屋外レクリエーション に適する。
江戸時代 までは中山道 の宿場町 として栄え、軽井沢宿 ・沓掛宿 ・追分宿 の3宿が置かれたが、明治時代 に入ると交通事情の変化により衰退した。そんな中イギリス系 カナダ人 宣教師 のアレクサンダー・クロフト・ショー によって、その西洋 に似た気候 風土 から1880年代 に避暑地 ・別荘地 として開拓され、それ以降高い人気を博している。
明治から昭和 前期にかけて、「日本の中の西洋」と言われるまでに聖職者 や外交官 など毎夏千数百名の外国人が滞在、全国で最も外国人に人気のある夏のリゾート地となり(「日本三大外国人避暑地 」も参照)、キリスト教 をはじめとする西洋文化が流入した。大正 期からは、外国人に倣って日本の上流階級 も数多く滞在、皇族 や華族 、政 財 界の要人らの別荘が次々と建設され、社交界 の舞台となった。加えて同時期から学者 や小説家 、画家 、音楽家 などの文化人 も数多く滞在し、サロン の舞台にもなる。第二次世界大戦 下には、枢軸国 ・中立国 13ヵ国の大公使館 と一般外国人千数百名の疎開 先となり、連合国 軍による空襲 は行われなかった。戦後 になると、外国人避暑客は減少するもののその知名度は日本人 の間で全国的に拡大、高度経済成長期 からバブル期 にかけての別荘ブーム、アンノン族 によるペンション ブーム、平成 期における通年型観光地 への脱皮などを経て、今日に至るまでに発展した。
町全体が別荘地として整備 されており、現在では町内における別荘・保養施設 数が1万6000軒を超え、持ち家 数の1.5倍以上に及んでいる[ 5] 。別荘所有者による固定資産税 の納入(全体の約80%[ 6] )などから、財務状況が優良な地方自治体であり、県内唯一の地方交付税 不交付自治体 となっている。
また別荘地であるとともに、三大都市圏 や海外 などから大勢の観光客が訪れる一大観光地 でもあり、「新日本旅行地100選 」(1966年)および「新日本観光地100選 」(1987年)にも選出されている。2019年には、約840万人の観光客が訪れた[ 5] 。町の観光ビジョンは、堀辰雄 による当地を舞台とした小説の題名より、『美しい村 』とする。
近年では、静養や観光目的以外に、ワーケーション や移住 先としても大きな関心が寄せられている[ 7] 。
地方自治研究機構 が2012年に発表した「軽井沢町観光振興調査研究事業報告書」によれば、人々が軽井沢に対して抱いているイメージや魅力として、美しい自然 や景勝地 が豊富で、街並みが美しく、気候 や風土 が健康に良い避暑地、洗練されていて、おしゃれ、国際的で高級感や上質感もあり、文化 的で芸術 的な雰囲気、ショッピングが楽しめ、魅力的な料理店やレストランもある、アクティビティ 活動が豊富、などが特筆して挙げられている[ 8] 。ブランド総合研究所 が毎年発表している「市区町村 魅力度ランキング」では、調査開始時(2007年[ 注釈 1] )より全国1000市区町村の中で常にトップ20にランクインしており、長野県下では1位を維持している。
日本で初めて「高原 」と冠された場所とされ[ 9] 、日本における高原野菜 [ 10] 、林間学校 [ 11] 、テニスブーム[ 12] 、キリスト教式結婚式 ブーム[ 13] 、リゾートウェディング[ 14] の発祥となった町ともされる。また、現在では日本を代表する一大企業グループとなった『西武グループ 』の土地開発事業の原点となった町であり、現在では世界中に展開されているホテル チェーン である『星野リゾート 』や『プリンスホテル 』の誕生の地でもある。日本初と言える分譲 別荘地の開発[ 11] や建売 別荘の販売[ 15] も行われている。また「日本三大野鳥 生息地」の一つに数えられ[ 16] 、町内には日本初[ 17] の『国設野鳥の森』がある。上皇明仁 と上皇后美智子 が出会った町、ジョン・レノン が長く滞在した町としても知られている。教会 の数が仏閣 を上回っている珍しい町でもある[ 18] 。さらに、世界選手権 出場経験のあるカーリング チーム『SC軽井沢クラブ 』『中部電力カーリング部 』の本拠地であるほか、世界最高峰の料理 コンクール 『ボキューズ・ドール 』の日本代表に町内から歴代3名[ 注釈 2] を輩出している。
人口 約2万人の小さな都市 ながら、古くから国際交流 が盛んであり、1951年の特別法により「国際観光文化都市 」に指定されている。特別法の第一条には、「軽井沢町が世界において稀にみる高原美を有し、すぐれた保健地であり、国際親善に貢献した歴史的実績を有する」と明記されている。1917年から毎年開催されている軽井沢国際テニストーナメント は、現存する日本最古[ 19] のテニストーナメント である。1964年東京オリンピック では馬術 、1998年長野オリンピック ではカーリング の競技会場になり、世界で初めて[ 20] 、夏季 ・冬季 両方のオリンピック 競技会場とされた町である。2014年には、軽井沢国際カーリング選手権大会 がアジア初[ 21] となるワールドカーリングツアー への参加を果たした。2014年からは日本初の全寮制インターナショナル・スクール で国内唯一のUWC 加盟校である『UWC ISAK Japan 』が開校している。また、2016年と2023年にはG7 関係閣僚会合、2019年にはG20 関係閣僚会合の開催地となった。
健康 保養地 (保健休養地)としての特性から、条例 などによってあらゆる面で独自の制限がかけられている。景観面では厳しい建築 規制が設けられており、生活面では深夜 営業や風俗営業 ・性風俗関連特殊営業 の禁止、歓楽街 の排除などが行われている。それに関連して、景観保護活動や自然保護運動が複数の団体によって活発に行われており、著名人も多く参加している。また、町内には主に明治から昭和前期にかけての歴史的建造物が多数現存しており、「ナショナル・トラスト 」「ブルー・プラーク 」等による保存運動も活発である。
「かるいさ わ」と発音されることもある。地名の由来など、詳細は「軽井沢#語源 」を参照。
地理
矢ヶ崎公園から離山と浅間山を望む
矢ヶ崎川と室生犀星 碑
霧に包まれた小径
四方を山 や丘陵 に囲まれた高原 であり、起伏豊かな地形を形成している。また水資源 が豊富であり、町内には滝 や、河川 を堰き止めた湖 ・池 が多く見られる(#景勝地 参照)。町の北側一帯は上信越高原国立公園 であり、重要野鳥生息地 (IBA)、国指定鳥獣保護区 に指定されている。
最高地点 2,568メートル(浅間山山頂)
最低地点 798.7メートル
軽井沢駅 は標高約940メートル。
山地
河川
隣接する自治体
気候
ケッペンの気候区分 によると、軽井沢町は湿潤大陸性気候 または亜寒帯湿潤気候 (Dfb)に属する。7月から8月にかけての日平均気温は東京と比べて6℃程度低く、冷涼である。12月から2月にかけては日平均気温が氷点下となり、寒さが厳しい。冬季は-15℃前後の気温が観測されることも珍しくない。
降水量は夏季に多く、冬季は少ない。また、冬季は降雪量もさほど多くなく、夏季に比べて日照時間が長い。年間100日以上霧 が発生し[ 22] 、湿度 は年平均で80%程度となる。ただし、寒冷地であるため、不快感 をもたらすことは少ない。
軽井沢町大字追分(軽井沢特別地域気象観測所、標高999m)の気候
月
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
年
最高気温記録 °C (°F )
16.1 (61)
18.8 (65.8)
22.6 (72.7)
28.3 (82.9)
29.5 (85.1)
32.1 (89.8)
34.2 (93.6)
33.9 (93)
31.3 (88.3)
27.7 (81.9)
23.3 (73.9)
20.7 (69.3)
34.2 (93.6)
平均最高気温 °C (°F )
2.3 (36.1)
3.5 (38.3)
7.8 (46)
14.3 (57.7)
19.2 (66.6)
21.5 (70.7)
25.3 (77.5)
26.3 (79.3)
21.7 (71.1)
16.2 (61.2)
11.2 (52.2)
5.3 (41.5)
14.6 (58.3)
日平均気温 °C (°F )
−3.3 (26.1)
−2.6 (27.3)
1.1 (34)
7.0 (44.6)
12.3 (54.1)
16.0 (60.8)
20.1 (68.2)
20.8 (69.4)
16.7 (62.1)
10.5 (50.9)
4.8 (40.6)
−0.5 (31.1)
8.6 (47.5)
平均最低気温 °C (°F )
−8.2 (17.2)
−8.0 (17.6)
−4.5 (23.9)
0.6 (33.1)
6.3 (43.3)
11.8 (53.2)
16.4 (61.5)
17.1 (62.8)
13.0 (55.4)
6.3 (43.3)
−0.2 (31.6)
−5.3 (22.5)
3.8 (38.8)
最低気温記録 °C (°F )
−20.3 (−4.5)
−19.6 (−3.3)
−21.0 (−5.8)
−11.6 (11.1)
−6.1 (21)
−0.9 (30.4)
5.0 (41)
7.0 (44.6)
−0.2 (31.6)
−6.5 (20.3)
−11.8 (10.8)
−18.0 (−0.4)
−21.0 (−5.8)
降水量 mm (inch)
36.8 (1.449)
36.8 (1.449)
68.3 (2.689)
81.0 (3.189)
108.8 (4.283)
154.6 (6.087)
191.8 (7.551)
141.6 (5.575)
193.5 (7.618)
151.1 (5.949)
52.5 (2.067)
29.6 (1.165)
1,246.2 (49.063)
降雪量 cm (inch)
44 (17.3)
38 (15)
33 (13)
5 (2)
0 (0)
0 (0)
0 (0)
0 (0)
0 (0)
0 (0)
1 (0.4)
19 (7.5)
141 (55.5)
平均降水日数 (≥0.5 mm)
6.8
6.8
9.8
10.3
11.3
14.7
17.0
13.1
13.2
10.4
6.8
6.3
126.5
平均降雪日数
20.2
17.5
15.4
4.8
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.1
3.2
15.7
75.8
% 湿度
76
74
72
70
75
85
87
87
89
87
80
78
80
平均月間日照時間
181.6
191.8
194.8
204.6
198.5
144.8
138.6
162.7
126.6
140.3
162.5
171.9
2,022
出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年、極値:1925年-現在)[ 23] [ 24]
軽井沢
雨温図 (説明 )
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
気温(°C )
総降水量(mm) 出典:気象庁
インペリアル 換算
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
気温(°F )
総降水量(in)
歴史
行政区域の変遷
人口
2021年現在まで、人口[ 31] 、別荘数[ 32] ともに長らく増加傾向が続いてきたが、特に新型コロナウイルスが流行 して以降、その増加率は高まりを見せている[ 33] 。地方移住の需要増加により、2020年の同町の人口(転入)は全国の町村 で最も高くなり[ 34] 、住宅地 、商業地 ともに地価 は上昇、住宅地の上昇率は県内トップであった[ 7] 。また、国内リゾートの需要増加により、別荘地の地価も上昇、一部報道では物件不足とまで言われている[ 35] 。この傾向は、コロナ収束後も急に冷え込むとは考えにくいとされており[ 35] 、町は歓迎しつつも、乱開発やブランド イメージ低下につながらないよう、注意深く見守るとしている[ 33] 。
軽井沢町と全国の年齢別人口分布(2005年)
軽井沢町の年齢・男女別人口分布(2005年)
■ 紫色 ― 軽井沢町■ 緑色 ― 日本全国
■ 青色 ― 男性■ 赤色 ― 女性
軽井沢町(に相当する地域)の人口の推移
1970年 (昭和45年)
13,373人
1975年 (昭和50年)
13,951人
1980年 (昭和55年)
14,195人
1985年 (昭和60年)
15,051人
1990年 (平成2年)
15,464人
1995年 (平成7年)
15,345人
2000年 (平成12年)
16,181人
2005年 (平成17年)
17,144人
2010年 (平成22年)
19,018人
2015年 (平成27年)
18,994人
2020年 (令和2年)
19,188人
総務省 統計局 国勢調査 より
環境
軽井沢町民憲章
わたくしたちは、雄大な浅間山にいだかれた高原の町軽井沢の町民です。
わたくしたちは、国際親善文化観光都市の住民にふさわしい世界的視野と未来への展望に立って、ここに町民憲章を制定します。
一 世界に誇る清らかな環境と風俗を守りつづけましょう
一 すべての来訪者に心あたたかく接しましょう
一 かおり高い伝統と文化を育てあげましょう
一 緑ゆたかな高原の自然を愛しまもりましょう
一 明るい家庭と伸びゆく町を築きあげましょう
出典:[ 36]
法令・宣言
軽井沢国際親善文化観光都市建設法
自然公園法 上信越高原国立公園 地域
長野県景観条例 浅間山麓景観育成重点地域
軽井沢町景観育成基準ガイドライン
景観住民育成協定6地区認定
長野県屋外広告物条例 特別規制地域
長野県自然環境保全条例
軽井沢町環境基本条例
軽井沢町まちづくり基本条例
自然保護のための土地利用行為の手続き等に関する条例及び同施行規則
軽井沢町の善良なる風俗維持に関する条例及び同要綱
軽井沢町自然保護対策要綱
保健休養地軽井沢100宣言
マンション軽井沢メソッド宣言
軽井沢まちなみ宣言
軽井沢町CO2排出実質ゼロ宣言
良質な軽井沢の別荘地宣言
行政
この節の
加筆 が望まれています。
主に: 1991年以前の歴代町長 (2023年1月 )
議会
町議会
長野県議会
2023年長野県議会議員選挙
選挙区:佐久市・北佐久郡選挙区
定数:4人
投票日:2023年4月9日
当日有権者数:117,053人
投票率:44.40%
候補者名
当落
年齢
所属党派
新旧別
得票数
花岡賢一
当
43
無所属
現
11,164票
大井岳夫
当
46
自由民主党
現
10,744票
小山仁志
当
47
無所属
現
10,253票
藤岡義英
当
51
日本共産党
元
9,996票
竹花美幸
落
57
自由民主党
現
9,140票
2019年長野県議会議員選挙
選挙区:佐久市・北佐久郡選挙区
定数:4人
投票日:2019年4月7日
当日有権者数:116,508人[ 41]
投票率:50.96%
候補者名
当落
年齢
所属党派
新旧別
得票数
大井岳夫
当
42
自由民主党
新
12,693票
花岡賢一
当
39
無所属
現
11,285票
小山仁志
当
43
無所属
現
11,264票
竹花美幸
当
53
無所属
新
8,716票
藤岡義英
落
47
日本共産党
現
8,603票
市川将明
落
38
無所属
新
6,093票
衆議院
姉妹都市
教育
軽井沢町立図書館(離山)
ショーハウス記念館
ルヴァン美術館
ムーゼの森(軽井沢絵本の森美術館)
学校
学校の保養施設
など
社会教育施設
一部冬季休館する施設がある。
町立
軽井沢町立図書館 (中軽井沢図書館、離山図書館)
軽井沢町歴史民俗資料館
軽井沢町追分宿郷土館
軽井沢町植物園(風越公園内)
軽井沢型絵染美術館(個人のギャラリーであるが、2000年 (平成12年)に施設・所蔵品全部が町に寄贈され開館した)
室生犀星 記念館(金沢市 の施設とは別)
堀辰雄文学記念館
ショーハウス記念館
大日向開拓記念館(大日向公民館内)
旧雨宮 邸・蔵「ギャラリー蔵」(貸しスペース)
(旧)軽井沢駅舎記念館(2017年 (平成29年)3月31日閉館。建物は町有のまましなの鉄道に貸し出され駅舎に改装された。同年10月27日よりしなの鉄道軽井沢駅旧駅舎口となった。同日、駅舎内に子供向けレクリエーション施設「森の小リスキッズくらぶ」が開業した。2018年 (平成30年)3月には「森の小リスキッズステーションin軽井沢」や駅ナカ 商業スペース「しなの屋KARUIZAWA」もオープンした[ 50] 。
私立
産業
北陸新幹線 やしなの鉄道線 、浅間サンライン や日本ロマンチック街道 を介して隣接する、長野県の御代田町 ・小諸市 ・佐久市 ・東御市 ・上田市 、群馬県の嬬恋村 ・長野原町 ・草津町 ・安中市 ・下仁田町 と大規模な経済圏を形成しており、軽井沢町はその中核をなす(近年では「大軽井沢経済圏」という呼称がある)[ 51] [ 52] 。また軽井沢町は、東日本 からの長野県への玄関口としての役割も担っている[ 53] 。
立地企業
ほか多数
町内に大規模な工場 を建設することは規制されているため、軽井沢と称する企業や軽井沢に所在する企業などによる大規模な工場は、近隣の自治体に置かれている(御代田町#産業 などを参照)。
歴史的に避暑客のために別地域から夏季限定で出店する形をとる商店が多かった軽井沢町では、軽井沢町にある店舗が最も著名であっても創業地や本社・本店は別地域にあるという企業が少なくなく、大きな特色となっている。その一例として、浅野屋 やミカドコーヒー がある。
また、軽井沢の大正 期以降のリゾート地としての大きな発展は、西武グループ とともにあるといっても過言ではなく、現在でも西武は軽井沢に広大な土地を所有・管理しており、同地のリゾート産業を支えている。
特産品
明治時代に外国人向けに始められた伝統工芸。
軽井沢で栽培される高原野菜 のブランド名(ブランド野菜)。レタス 、キャベツ 、クレソン 、トマト などの西洋野菜 であり、明治時代に外国人向けに栽培が始まった。
明治時代に、外国人の食生活に必須な冷蔵庫 の冷却機能として使うため、天然氷を氷室 に貯蔵し、各別荘の冷蔵庫の大きさに合わせて切断した氷を定期的に配達したのが始まり[ 54] 。町内にある蔵元は、現在では1ヶ所(渡辺商会)のみ。
明治時代に外国人向けに生産が始まった。原材料であるイチゴ 、ブルーベリー 、ルバーブ などの果物 の栽培から町内で行われているものがある。
ウイスキー の銘柄『軽井沢 』は世界トップの評価を受けたことで世界的にも知られるが、その蒸留所(メルシャン軽井沢美術館 )は、実際には隣接する自治体の御代田町 に存在していた。同じく町内に本社を構えるクラフトビール 製造会社の『ヤッホーブルーイング 』『軽井沢ブルワリー 』の2社についても、その醸造所は隣接する自治体の佐久市 に存在している。これらの理由については、前述の#立地企業 で記したとおり。
企業の保養施設
ほか多数
交通
軽井沢駅
中軽井沢駅
県道133号旧軽井沢軽井沢停車場線(旧軽井沢ロータリー)
鉄道
東日本旅客鉄道
しなの鉄道
道路
町内にインターチェンジ はない。最寄りICは碓氷軽井沢IC (群馬県安中市松井田町)。
バス
名所・旧跡・観光スポット
軽井沢ショー記念礼拝堂
雲場池
軽井沢外国人墓地
旧三笠ホテル
矢ヶ崎公園
軽井沢会テニスコート
追分宿
石の教会・内村鑑三記念堂
軽井沢プリンスショッピングプラザ
軽井沢アイスパーク(風越公園)
ハルニレテラス
以下は、戦前に外国人向けに出版された軽井沢への旅行案内 の一部である。
What is the fascination of this little mountain ‘machi’? There are those who declare that Karuizawa in the only place in Japan where one can have the best of both worlds, the varying delights of Old and New Japan, the perfection of untouched natural scenery alongside the amenities of suburban life. It suits all tastes. Some go there for rest and quiet and the opportunity to study; others look forward to the golf, tennis, […] . The botanist, the bird-lover, and the entomologist all find themselves in the happiest of hunting-grounds. For the hiker, Karuizawa is beyond compare as the starting point for day-long walks through the woods and over the hills, and also for more ambitious trip to Ikao, Kusatsu, Nikko, or the Japan Alps.(山岳にあるこの小さな「町」の魅力は何でしょうか。軽井沢は、日本の新旧さまざまな娯楽、手つかずの自然景観と郊外生活の快適さ、これら両方の好いとこ取りをした日本で唯一の場所だと断言する人たちもいます。すべての人の好みに合います。休息と静寂、そして勉強の機会を求めて行く人もいれば、ゴルフ、テニス、…などを楽しみにする人もいます。植物学者、野鳥愛好家、そして昆虫学者は皆、最も幸せなハンティング・グラウンドにいることに気付きます。
ハイカー にとっても、軽井沢は、森の中や丘の上を一日かけて歩くための出発地点として、また、
伊香保 、
草津 、
日光 、
日本アルプス などへの野心的な旅行のための出発地点として、比類のない場所です。)
—
Edward Vivian Gatenby, "Karuizawa and Nojiri"[ 55] , 1935
以下、軽井沢町公式ホームページの町の施設のご案内 も参照。
名所・旧跡
文学碑・記念碑
避暑地・別荘地となって多くの著名人が訪れた経緯から、近現代の人物に関する碑が多いのが特徴である。一部を挙げる。
景勝地
見晴台は江戸時代 以来の景勝地で、群馬県安中市松井田町 側に跨る峠町の茶店各店も当時から営業。他は軽井沢 が避暑地 になってから造成されたり、人の手が加えられている場所が多い。雲場池 ・レマン湖((南)軽井沢湖)・塩沢湖は近代以降の人造湖 。白糸の滝も人工的に拡張・改変されている。
老舗ホテル・旅館
コンサートホール
教会
町内には12の教会とその他複数の修道院 ・キリスト教信徒修養施設が存在する。以下に主な教会を挙げる。
公園・スポーツ施設
ショッピング
温泉
いずれもそれぞれ数施設の立ち寄り湯と温泉宿があるのみであり、他の地域でいう温泉街 に当たるものは存在しない。
諸施設
地域交流
軽井沢観光会館
軽井沢町都市施設さわやかハット
軽井沢町地域交流施設くつかけテラス
軽井沢町 中央公民館
旧軽井沢公民館
追分公民館
成沢公民館
借宿公民館
南ヶ丘公民館
三ツ石公民館
南軽井沢公民館
新軽井沢会館
警察
長野県警察 軽井沢警察署
軽井沢警察署 軽井沢駅前交番
軽井沢警察署 旧軽臨時交番(避暑客や観光客のために夏季のみ旧軽井沢銀座 近くに開設される。明治35年[ 56] から続けられている)
軽井沢警察署 中軽井沢駐在所
軽井沢警察署 西地区警察官駐在所
消防
佐久広域連合消防本部 軽井沢消防署
軽井沢町消防団
郵便局
軽井沢郵便局
軽井沢駅前郵便局
軽井沢追分郵便局
千ヶ滝郵便局
中軽井沢郵便局
医療福祉
行事
町内を走行する自動車 イベント「ラ・フェスタ・ミッレミリア 」(2013)[ 注釈 3]
軽井沢高原教会 で開催されるクリスマス イベント「クリスマスキャンドルナイト」(2018)
軽井沢若葉まつり(4月下旬-6月上旬)
しなの追分馬子唄道中 (7月最終日曜日)
軽井沢ショー祭(8月1日)
軽井沢紅葉まつり(10月1日-11月3日)
軽井沢ウィンターフェスティバル(11月下旬-1月下旬)
など
大字・地区
6大字3地区・30区がある。
大字 峠町
大字軽井沢
大字発地
南軽井沢区
ニュータウン区
馬取 区
上発地区
下発地区
風越団地区
杉瓜区
大字追分
大字茂沢
小字 名は別に存在する。別荘地 の名称や観光案内のエリア区分等とは一致しない。また各地域の各別荘地では軽井沢郵便局 が配達の便宜上別荘や別荘地内を区分し、個々の別荘に「ハウス番号」と呼ばれる数字やアルファベット などを付けており、宅配業者 などもこれを利用している。1926年 (大正15年)以来行われており、別荘にも住居表示 のように掲げられている。なおこれらは住居表示に関する法律 とは無関係の記号であり、住民基本台帳法 上の住所 ・地番 とも異なる。
別荘地・観光案内等のエリア分け
不動産業者・観光業者などが概ね下記のような名称を用いてエリア分けを行っているが、これらは土地・別荘開発・販売業者が付けた別荘地 の呼称や、観光案内等において用いられている名称であり、行政上の地名・地域区分として存在しているものではない。
旧軽井沢 エリア(峠町・旧軽井沢・鹿島の森 ・三笠 ・愛宕 ・万平 ・桜ノ沢 ・泉の里 ・雲場 ・離山 など)
新軽井沢エリア(新軽井沢・成沢・矢ヶ崎・南ヶ丘・南原 など)
南軽井沢エリア(南軽井沢・レイクニュータウン・南ヶ丘白樺台・南平台・扇平・和美 (安中市松井田町 )など)
中軽井沢 北エリア(小瀬・千ヶ滝 中区・千ヶ滝西区・千ヶ滝東区・千ヶ滝山ノ手区・三井の森 ・泉ヶ丘・鶴溜・上ノ原・星野 ・塩壺など)
中軽井沢南エリア(塩沢・前沢・鳥井原・風越など)
西軽井沢・追分エリア(追分・茂沢・大日向・浅間台・借宿・つくしが丘など)
以下は町外
北軽井沢 エリア(長野原町・嬬恋村)
奥軽井沢・浅間高原エリア(嬬恋村)
東軽井沢エリア(安中市松井田町)
西軽井沢・御代田エリア(御代田町)
ゆかりのある外国人
特記がない限り別荘所有者または避暑客・長期滞在者である。一部を列挙する。
ゆかりのある日本人
特記がない限り別荘所有者または避暑客・長期滞在者である。一部を列挙する。
皇族
華族
政治家・外交官
八田裕二郎 (政治家。軍人) - 島田三郎 らとともに「軽井沢避暑団」初代理事。日本人初の別荘として現存
小坂善之助 (政治家)- 息子の順造 、武雄 は元「軽井沢会 」理事長
後藤新平 (政治家。医師)- 「軽井沢通俗夏季大学」初代総裁
尾崎行雄 (政治家。教育者)- 「軽井沢避暑地50周年記念式典」名誉総裁
大隈重信 (侯爵。政治家。教育者)
桂太郎 (公爵。政治家。軍人)- 別荘が現存
加藤高明 (伯爵。政治家。外交官)
鳩山一郎 (政治家。弁護士)- 弟秀夫 、孫由紀夫 、邦夫 も別荘所有
佐藤栄作 (政治家)- 近所にその他歴代首相 の別荘多数
麻生太郎 (政治家。実業家)- 弟泰 は「軽井沢会」理事
鈴木喜三郎 (政治家)- その他政友会 議員が多数別荘を構え、「政友村」「政治村」と呼ばれた
来栖三郎 (外交官)- 戦時中はアメリカ人のアリス夫人とともに別荘に疎開
寺崎英成 (外交官)- 戦時中はアメリカ人のグエン夫人、娘マリコ とともに別荘に疎開
東郷茂徳 (外交官。政治家)- 戦時中はドイツ人のエディータ夫人、娘いせ が別荘に疎開
実業家
教育者・学者
著作家
その他芸術家
芸能人など
在住の著名人
過去に在住していた著名人
ニール・ゴードン・マンロー (イギリス人医師。考古学者。歴史学者。在住期間:1923 - 1931)
ダニエル・ノーマン (カナダ人宣教師。在住期間:1934 - 1940)
堀辰雄 (小説家。在住期間:1944 - 1953)
正宗白鳥 (小説家。劇作家。文芸評論家。在住期間:1944 - 1957)
ポール・ジャクレー (フランス人画家。在住期間:1945 - 1960)
東海林太郎 (歌手。在住期間:1945 - 1971)
山本直文 (仏料理 研究家。フランス文学者。翻訳家。在住期間:? - 1982)
玉村豊男 (エッセイスト。画家。在住期間:1983 - 1991)
佐藤泰春 (実業家。在住期間:1945 - 2004?)
森村桂 (小説家。在住期間:1980 - 2004?)
丸山忠久 (将棋棋士 。在住期間:2002 - 2005?)
玉置浩二 (歌手。俳優。在住期間:1998 - 2000年代後半)
相馬雪香 (平和活動家。尾崎行雄 令嬢。在住期間:1990年代? - 2008)
堀多恵子 (堀辰雄夫人。随筆家。在住期間:1944 - 2010)
桑名正博 (歌手。俳優。在住期間:2006 - 2012)
島田陽子 (女優。在住期間:2000年代後半 - 2012)
大山美信 (画家。現代美術家 。在住期間:2008 - 2013)
佐藤允弥 (インダストリアルデザイナー。2000 - 2015)
内田康夫 (推理作家。在住期間:1983 - 2018)
勝谷誠彦 (コラムニスト 。在住期間:1999 - 2018)
藤田宜永 (小説家。在住期間:1990年代初頭 - 2020)
山本文緒 (小説家。在住期間:2011 - 2021)
高橋幸宏 (ドラマー。ファッションデザイナー。在住期間:? - 2023)
なお、かつての別荘所有者の多くは、夏になると生活拠点を完全に別荘に移し、秋にかけて数ヶ月間そこで暮らしていたため、その意味では、避暑に訪れた多くの著名人が、夏の期間は軽井沢町在住者であった[ 注釈 9] 。近年では、その代替として海外や都市圏との二拠点生活を送る者が増えている。
出身の著名人
ゆかりのある作品
小説『美徳のよろめき』、アニメ映画『風立ちぬ』などにゆかりのある「万平ホテル」
アニメ映画『思い出のマーニー』、ドラマ『カルテット』などにゆかりのある「睡鳩荘」
軽井沢の蛾が描かれた速水御舟 の代表作『炎舞』
文芸作品
ほか多数
映像作品
ほか
音楽作品
ほか
脚注
注釈
^ 調査自体は2006年に開始されたが、2006年は軽井沢町が調査対象外であったため、当該地を含めた調査の開始は2007年となる。
^ 2011年 : 中洲達郎(軽井沢ホテルブレストンコート)、2013年 : 浜田統之(軽井沢ホテルブレストンコート)、2021年 : 戸枝忠孝(レストランTOEDA)。なお、2001年大会日本代表の濱野弘典は、2018年よりザ・プリンス軽井沢 の料理長を務めている。
^ 本イベントは2011年から2017年まで軽井沢町を通過拠点としていたが、2018年以降はルート変更により不開催。
^ 沓掛。
^ 南佐久郡 大日向村 出身の満蒙開拓移民 が戦後入植した浅間山麓の地域。
^ 旧軽井沢区のうち旧軽井沢ロータリー(草軽交通 旧軽井沢駅 跡)周辺。
^ 新軽井沢区のうち軽井沢駅 北口周辺。
^ 中軽井沢区のうち中軽井沢駅 北口周辺。
^ 正確には、夏になると妻子供は別荘に住むが、仕事のある主人だけが平日は東京に残って、週末は別荘で家族と過ごす、というスタイルが多かったようである。
^ 舞台は北海道 であるが、「湿っ地屋敷」のモデルとなったのは軽井沢町の建築が知られている。
出典
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^ 特集一軽井沢追分寮 2013年1月30日 楓園
^ 軽井沢追分寮のご案内一都立八潮高等学校同窓会
^ 施設・設備紹介一青山学院高等部
^ 追分寮生活 その1一三輪田学園
^ 鴎友学園追分山荘
^ 軽井沢寮一共立女子大学
^ 中1軽井沢学習寮 東京女学館高等学校・中学校
^ 軽井沢三泉寮のご案内一日本女子大学教育文化振興桜楓会
^ しなの鉄道軽井沢駅、「駅ナカ」一新プロジェクト完了 2018年3月14日 信濃毎日新聞
^ 地域活性化へ「大軽井沢経済圏」 フォーラム開設 日本経済新聞2018/02/26
^ 宿泊・発電事業でスタートした100年企業、プリンスグランドリゾート軽井沢の壮大な次世代戦略とは? フォーブス・ジャパン
^ 軽井沢町 長野県町村会
^ ”軽井沢の風土と観光産業 ”軽井沢観光協会
^ Edward Vivian Gatenby, Karuizawa and Nojiri , Travel in Japan, Vol.1, No.2, Tokyo : Board of Tourist Industry, 1935, p.33.
^ 『長野県警察史 各説編』(長野県警察本部警務部警務課、1958年)p.555
関連項目
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外部リンク