1990年イギリスグランプリ (英: 1990 British Grand Prix) は、1990年F1世界選手権の第8戦として、1990年7月15日にシルバーストン・サーキットで決勝レースが開催された。
概要
リカルド・パトレーゼがF1通算200戦に到達。デビューレースはシャドウから出場した1977年モナコGP。14年かけての大記録達成となった。
開幕以来予備予選落ちを続けてきたコローニは、このレースを最後に富士重工業(スバル)との関係を解消。スバル製水平対向12気筒エンジンは一度も決勝を走ることなくF1から姿を消した。
予選
フェラーリのナイジェル・マンセルがひとりだけ1分7秒台をマークし、フランスGPに続いて2戦連続ポールポジションを獲得。マンセルはそれまで(ヨーロッパGPも含め)母国開催のグランプリで3勝していたが、PP獲得は今回が初めて。
予備予選を1・2位で通過したラルースは本予選でも好調で、ベネトンを押しのけ、エリック・ベルナールと鈴木亜久里が10番グリッド以内につけた。
予備予選結果
予選結果
決勝
フォーメーションラップ開始時に2台が動き出せず、ピケは最後尾スタートにまわったが、グージェルミンはそのままリタイアとなった。
スタートは2番グリッドのセナの出足が鋭く、PPのマンセルをかわしてトップに立つ。序盤はセナ、マンセル、ベルガーの3台が先行し、やや遅れてブーツェンとプロストが続く。11周目、最終シケイン「ルフィールド」でマンセルがセナをかわしてトップに浮上。抜かれたセナは13周目の1コーナー「コプス」で高速スピン。痛めたタイヤを交換するためピットインし、10位に後退した。15周目、プロストがブーツェンをかわして3位。フランスGP2位のカペリが後方から追い上げ、さらにピケが最後尾から急ピッチで挽回してきた。
首位のマンセルはセミATギアボックスの不調で速度が鈍り、22周目にベルガーに抜かれて2位に後退。しかし、トラブルが回復すると、28周目にベルガーを抜き返した。レース中盤、ペースを上げてきたプロストが31周目にベルガーをかわし、43周目にはチームメイトのマンセルもハンガーストレートでかわしてトップに出た。好調カペリはブーツェンに続けてベルガーもオーバーテイクして3位に上昇したが、燃料ポンプの問題で49周目にリタイアした。2位マンセルはギアボックストラブルが再発し、56周目にコースサイドでマシンを止めると、落胆する観客席に向けてグローブを投げ込んだ。これで2位に戻ったベルガーも、残り4周でマシンがストップした。
プロストは独走でトップチェッカーを受け、メキシコ・フランスに続いて破竹の3連勝を達成。1990年シーズンの折り返し地点で、セナを抜いてポイントランキング首位に立った。3位表彰台のセナはマクラーレン・MP4/5Bの不安定なハンドリングに不満を募らせた。
ラルースは4位ベルナール、6位鈴木がダブル入賞し、シーズン後半戦はリジェと入れ替わりで予備予選組から抜けられることになった。鈴木はタイヤのパンクでピットインし入賞圏内から外れたが、ベルガーのリタイアで嬉しいF1初ポイント獲得となった。
レース後、私服に着替えたマンセルは記者たちの前で寂しげに「今シーズン限りでの引退」を表明した(その後撤回し、1991年はウィリアムズへ復帰する)。
決勝結果
レース後の選手権順位
脚注
外部リンク