MSV-R

MSV-R(エムエスブイアール)[注 1]は、角川書店発行の雑誌『ガンダムエース』で2010年代前後に連載された大河原�…

MSV-R(エムエスブイアール)[注 1]は、角川書店発行の雑誌『ガンダムエース』で2010年代前後に連載された大河原邦男によるガンダムシリーズメカニックデザイン企画。1980年代中頃のメカニックデザイン企画『モビルスーツバリエーション (MSV)』の続編に当たる。

概要

2009年3月に角川書店から発売された書籍「機動戦士ガンダム原典継承 ― 大河原邦男画集」で新規のモビルスーツ (MS) が追加されたのを契機に、機動戦士ガンダム生誕30周年企画・MSV公式続編[1]として、「ガンダムエース」2009年6月から2013年8月号まで連載された。当企画は大河原によるデザイン画と、それに基づいたイラストと解説文で構成されている。

宇宙世紀0089年、地球連邦軍一年戦争終結10周年の区切りとして過去の資料や文献の調査をF.S.S.に依頼、調査の中で明らかになったこれまで未確認だったMSや状況がまとめられたものという設定。新たに設定されたメカニックは一年戦争期の物に限定されており、ただ新規の機体をデザインするだけではなく、『MSV』で文字設定のみで存在した機体の画稿を新規にデザインしたり[注 2]、これまで模型用のカラーバリエーションとして扱われていた機体について設定付けしていることなどが特徴となっている。

さらに、不定期に読者参加によるMSデザインやキャラクター設定の公募企画がおこなわれ、そこからの新機体なども生み出されている。

本企画のメカニックや設定を題材にした漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』『機動戦士ガンダム MSV-R 宇宙世紀英雄伝説 虹霓のシン・マツナガ』や小説『機動戦士ガンダム MSV-R ザ・トラブルメーカーズ』の連載など、メディアミックスもおこなわれている。

スタッフ

  • メカニックデザイン:大河原邦男
  • 企画:サンライズ
  • 設定協力:草刈健一、川口克己
  • デザイン協力:片貝文洋(Vol.25以降)
  • 協力:バンダイ ホビー事業部
  • イラスト:Ken Imai (Vol.1) / 兼房光(Vol.2以降)

SEASON 2

連載終了から10年後、『ジョニー・ライデンの帰還』が完結した翌月の『ガンダムエース』2023年10月号において、大河原の「最後の新連載」として再起動。名称は『MSV-R SEASON 2 / U.C.0079-0091』とされた。

スタッフ (SEASON 2)

  • メカニックデザイン:大河原邦男
  • 企画:サンライズ
  • 設定考証:岡崎昭行
  • 企画協力:Ark Performance
  • イラスト:兼房光

登場兵器

登場人物・部隊

地球連邦軍

ハジメ・シモダ[2]
『MSV-R』のスタッフである草刈健一が、『MSV』の時代にプロモデラーとして『コミックボンボン』でも活動しはじめた当初に用いたペンネームが「下田一」である[3]
シモダ小隊の隊長で、階級は不明。ア・バオア・クー攻防戦時に第3艦隊に配属されており[4]、小隊は3名とも同仕様のジム・スナイパーカスタムに搭乗する[5]

地球連邦軍 (SEASON 2)

オースティン・ブルック
レビル将軍が座乗する第1連合艦隊旗艦「フェーベ」の直掩隊として配備された315MS小隊所属で、階級は少尉。フェーベ直掩隊仕様のジム・ガードカスタムに搭乗。ニューヤーク出身の元野球選手(ポジションはキャッチャー)として活躍していたが、ジオンによる地球降下作戦で、故郷のニューヤークはジオンの古領地として地球方面軍の司令部となってしまい、それが原因でザビ家打倒を誓った。それから、大型特殊の免許をいくつか持っていたのを理由に地球連邦軍の兵学校に入隊し新設したパイロットの候補生となった。連邦軍の本拠地であるジャブローでMS操縦を経験、後にジャブローでのジオンの大規模降下作戦ではジムに乗り込み初戦で2機のザクを撃破した成果からブルー小隊に配属される。その後も教導隊として戦地を回り、さらなる実戦を経験したが、和平交渉の際にギレン・ザビによってソーラ・レイによって小隊ごと全滅。仲間達は今後も彼の功績を忘れないであろうものの、念願だった戦後、故郷であるニューヤークで野球をする事は叶わなかった[6][7]
サーカス・ブルー
315小隊所属で、階級は少尉。フェーベ直掩隊仕様のジム・インターセプトカスタムに搭乗。ルウム戦役では兄弟であるリッキーとともにトマホーク戦闘機でザクを3機倒したことがきっかけで有名になる。その後、ジャブローでMS評価試験隊としてネメシス隊と並ぶブルー教導隊として活躍。かつて宇宙で活躍していた経験が買われ、レビル艦隊の直掩隊に任命されるが、和平交渉の際にギレン・ザビによってソーラ・レイによって小隊ごと全滅したため、「星一号作戦」には参加出来なかった。戦後、ブルー兄弟の両親の元に写真が届けられたという有名な逸話もあり、この話はジャーナリストとなったカイ・シデンの書いた「消えたエースパイロットたち」にも収録されている。彼らの教導隊時代の名残りで直掩隊の機体のカラーが青となっている[6][8]
リッキー・ブルー
315小隊所属で、階級は中尉。フェーベ直掩隊仕様のジム・スナイパーカスタムに搭乗。リッキーと共にトマホーク戦闘機でザクを3機倒したことがきっかけで有名になりブルー教導隊として活躍するも、和平交渉の際にギレン・ザビによってソーラ・レイによって小隊ごと全滅[6][8]

ジオン公国軍

以下の人物は各項目を参照。

エメ・ディプロム
階級は中尉。キマイラ隊唯一の女性パイロットで、パープルと黒を基調としたゲルググ高機動型R型に搭乗する。機動性能をアップした事でプロペラントの消耗が早く稼働時間が短縮されたという問題点が生じたが、ゲルググ高機動型R型を乗機としたのはいずれも腕に覚えのあるエースパイロット達であったため、実戦においてはプロペラント不足などのトラブルは一切なく開発陣を安心させている。彼女の機体は終戦後、連邦軍に接収され、各種の性能テストが行われている[9]
ジョニー・ライデンの帰還』にもエメ・ウィルヘッド名義で登場する。
ガリボルディ隊
西アフリカ戦線で活躍し、ザク・デザートタイプ後期生産型を運用する。
ギュンター・バル
階級は中尉。迷彩塗装が施された陸戦高機動型ザクに搭乗し、ホガール山地ド・ダイGAに乗った状態で一度に9機の戦闘機を撃墜したことから「ホガールの鷹」の異名をもつ。アフリカ戦線で彼の所属するド・ダイとの混成部隊には陸戦高機動型ザク4機と[10]、陸戦型ザクIIとグフが各1機配備されている[11]。彼の僚機のド・ダイは常に機番「305」で、機首に白い甲冑が描かれていたといわれる[12]。混成部隊に配属中の42日間に計23回出撃し、撃墜スコアは戦闘機32機、爆撃機6機、ジム1機[10]。その後12月中旬にア・バオア・クーのMS部隊に転属するが[10]、ド・ダイとの戦術の相性が良かったのかこちらでは目立った戦果はない[12]
コシンスキー
『MSV-R アクショングラフィック編』に登場。
階級は不明。 北ヨーロッパの山岳地帯にある基地に所属するザクタンク(ワイルドボア)のパイロットで、対地攻撃機マングースを1機撃墜する。
ジーメンス・ウィルヘッド
階級は大尉。エース部隊であるキマイラ艦隊に配備されたゲルググ高機動型R型の1機に搭乗し、この機体はパイロットの要求性能を充たす為に開発されたもので、キマイラ艦隊内では高機動型ゲルググ1機がゲルググ高機動型R型に改修されており、更には、ツィマッド社工場で2機が改装され予備パーツと合わせて納入されている。また、脚部の装甲を取り去り脚部の推進器を更に大型化した機動性能向上型でもあり、その姿は高機動型ザクIIに似ていることからゲルググRとも呼ばれる時もあるがこれは通称であり、MS-14BR ゲルググ高機動型R型が正式名称である[13]
『ジョニー・ライデンの帰還』にも登場する。
ジャコビアス・ノード
階級は大尉。キマイラ隊に所属し、識別用として描かれた特徴的な左半身のストライプのついたゲルググキャノン1A型に搭乗し、高機動型ゲルググにも同様のラインを描いた機体が存在する。キマイラ艦隊に配備されていた彼の機体は稼働時間延長を目的として別部にコンフォーマルタンクを増設しており、高機動型ゲルググのランドセルとよく似た増速用ブースターパックがオプション装備として用意されていた。それは短時間で換装する事が可能で、その増速用ブースターパックとキャノンパックのどちらかをミッションに合わせて装備していた[14]
『ジョニー・ライデンの帰還』にも登場する。
デビット・チェイスマン
階級は少佐。キマイラ隊に所属し、機体を赤、左半身に白と黒のインベージョンストライプを施したゲルググ高機動型 R型に搭乗。このゲルググ高機動型 R型のカラーリングについての詳細は不明で、過去にザクII高機動型ザクIIを乗機としているが、赤をパーソナルカラーに用いた事はなく、キマイラ隊にジョニー・ライデン も所属するなどの理由から、このカラーリングは何かの手違いによるものかもしれない[15]。また、『MSV-R』で新たに登場したキマイラ隊のパイロットのうち、唯一『ジョニー・ライデンの帰還』に登場していない。
プロンジュール隊
北ヨーロッパ方面を作戦海域とする部隊で、ズゴックラムズゴックを運用する。部隊カラーは濃淡ブルーに左寄りの白いライン。なお「プロンジュール(Plongeur)」はフランス語で「潜水者」の意。
ユーマ・ライトニング
階級は中尉。「青き雷光」の異名を持つエースパイロットでブルー、ホワイト、グレーのパーソナルカラーで塗装された高機動型ザクII高機動型ゲルググに搭乗する。彼の高機動型ザクIIはロバート・ギリアムの機体とカラーリングが似ていた事から誤認される事も多かったと言われている。ジャイアント・バズを装備しながら手前で背面を見せている彼の高機動型ザクIIがグワジン級戦艦を旗艦とした機動部隊、そしてこれを警護するモビルスーツを捉えた一枚が画像として残っており、艦隊は全艦エンジンを停止しているが、戦闘空域にいるためか複数の警護機が警戒にあたっている。ミノフスキー粒子下ではレーダーの効かないため、近辺の警戒とスクランブル待機は通常の事であり、24時間3交替制のシフトが実施されていた。彼の高機動型ザクIIの資料は少なく、この画像や未確認も含め10点に満たないでおり、この画像ではジャイアント・バズを装備しているが、他の画像でザク・マシンガンを装備しているのも確認されており、高機動型ザクIIのパイロットが好んで使用したと言われるジャイアント・バズを装備している画像はこの一点のみで、兵装類の装備は各パイロットに一任されているものの、彼は破壊力よりも使い慣れたザク・マシンガン、ザク・バスーカが好みだったとも言われている。高機動型ザクIIはMSハイロット達に戦艦を沈めるよりも入手するのは難しいと言わしめた機体だが、必ずしもスコアだけで認可されるものでは無かった事も要因で、彼のように将来を期待される若いパイロットにも門戸が開かれていた。また、終戦の1か月前である0079年12月のはじめ頃と推定される時期に、キマイラの後方のカメラの前をパスしようとするビーム・ライフルに加えジャイアント・バスと左腕にラッツリバー三連ミサイルボッドを製備という重装備となった彼の高機動型ゲルググが撮影されており、当初は同じカラーリングの高機動型ザクIIで活躍したロバート・ギリアム大佐の乗機かと話題になったが、後に、彼の機体であったことが判明している。両軍の記録上によれば、この時期のキマイラ隊の戦闘記録はないため、戦闘ミッションを想定した上での訓練飛行か、哨戒任務のための出撃であったと想像されている。キマイラ隊に配属されたエース部隊のパイロットのほとんどが、異動後にゲルググを受領し、この時期に慣れない新鋭機を乗りこなすように機体受領後7日間で60時間以上の飛行訓練が課せられていたと言われ、さかんに調練飛行を行っていたと記録されている。過酷な訓練ではあるが、これにはパイロットの練度向上や各機体を各パイロットに準じたセッティングが主目的だったである。戦後、連邦軍に捕獲された数機のゲルググが分析されるが、いずれも統一性のない極端なセッティングが施されていたと報告されており、エース部隊への期待のほどが伺える事例であった。彼の機体は脚部の外観からゲルググキャノン1A型と思われたが、頭部のデザインが大きく異なっており、頭部とバーニアに特徴があった。明確な記録こそないものの、納品スケジュールの都合から一部機体にはゲルググの型式番号であるMS-14改称前に試作されたアクト・ザクの部品が流用されたとする説がある。FDEという全機能開発試験機の部品を使用したか、またはそれらをレトロフィットした機体かもしれないとのことである[16][17]
『ジョニー・ライデンの帰還』にも登場する。

関連書籍

  • 『機動戦士ガンダム MSV-R 連邦編』KADOKAWA、2012年3月23日、ISBN 978-4-04-120210-4
  • 『機動戦士ガンダム MSV-R ザク編』KADOKAWA、2013年2月22日、ISBN 978-4-04-120592-1
  • 『機動戦士ガンダム MSV-R ジオン編』KADOKAWA、2014年2月24日、ISBN 978-4-04-121018-5
『ガンダムエース』にて連載された記事を再構成した設定資料集(ただし漏れた設定もある)。編者は草刈健一。MSVの『講談社ポケット百科シリーズ 機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション』(ザク編、ジオン編MS・MA編、連邦軍編)を踏襲している。
  • 兼房光『機動戦士ガンダム MSV-R アクショングラフィック編』KADOKAWA、2013年2月22日、ISBN 978-4-04-120593-8
  • 兼房光『機動戦士ガンダム MSV-R アクショングラフィック編』第2巻、KADOKAWA、2015年2月25日、ISBN 978-4-04-102796-7
『ガンダムエース』で連載された短編漫画。

脚注

注釈

  1. ^ ロゴマークには、原典の英文表記である "MOBILE SUIT VARIATION" も記されている。
  2. ^ 同様のことは、かつての「M-MSV」においてもおこなわれていた。

出典

  1. ^ 「機動戦士ガンダムMSV-Rジョニー・ライデンの帰還 (1)」Ark Performance[角川コミックス・エース]”. KADOKAWA. 2025年6月3日閲覧。
  2. ^ 『ガンダムエース』2011年6月号付録『MSV-Rハンドブック1』、角川書店。
  3. ^ 「『映画秘宝』関係者の中にいたガンダム野郎編「スターモデラーとして駆け抜けた頃 草刈健一INTERVIEW ケン兄ちゃんの「ガンプラ青春期」」『ガンダム・エイジ ガンプラ世代のためのガンダム読本』洋泉社、1999年4月9日、121頁。ISBN 4-89691-379-5
  4. ^ 『機動戦士ガンダム MSV-R 連邦編』KADOKAWA、2012年3月23日、62頁。ISBN 978-4-04-120210-4 
  5. ^ 『MSV-R アクショングラフィック編』第1巻、第12話。
  6. ^ a b c ガンダムエース 2024年1月号』KADOKAWA、2023年11月25日、6-9頁。 
  7. ^ ガンダムエース 2024年5月号』KADOKAWA、2024年3月26日、24-27頁。 
  8. ^ a b ガンダムエース 2024年4月号』KADOKAWA、2024年2月26日、204-207頁。 
  9. ^ 『機動戦士ガンダム MSV-R ジオン編』KADOKAWA、2014年2月24日、19頁。ISBN 978-4-04-121018-5 
  10. ^ a b c ガンダムエース 2011年5月号』KADOKAWA、2011年3月26日、178頁。 
  11. ^ 『MSV-R アクショングラフィック編』第2巻、第20話。
  12. ^ a b ガンダムエース 2011年5月号』KADOKAWA、2011年3月26日、174-175頁。 
  13. ^ 『機動戦士ガンダム MSV-R ジオン編』KADOKAWA、2014年2月24日、17頁。ISBN 978-4-04-121018-5 
  14. ^ 『機動戦士ガンダム MSV-R ジオン編』KADOKAWA、2014年2月24日、12頁。ISBN 978-4-04-121018-5 
  15. ^ 『機動戦士ガンダム MSV-R ジオン編』KADOKAWA、2014年2月24日、21頁。ISBN 978-4-04-121018-5 
  16. ^ ガンダムエース 2011年6月号』KADOKAWA、2011年4月26日、324-327頁。 
  17. ^ ガンダムエース 2012年11月号』KADOKAWA、2012年9月26日、674-677頁。 

関連項目

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