フェデックス・コーポレーション (FedEx Corporation)は、空路や地上で、重量貨物やドキュメントなどの物流 サービスを提供する世界最大手の会社である。
世界220の国と地域で取り扱いを行っている。
歴史
1971年 、アメリカ合衆国 アーカンソー州 リトルロック で、元アメリカ合衆国海兵隊 大尉 のフレッド・スミス(Frederick Wallace "Fred" Smith)によって、フェデラルエクスプレスコーポレーション(Federal Express Corporation)として設立された。
創業者のフレッド・スミスが、イェール大学 の経済学 のクラスでハブ・アンド・スポーク システムの原案をレポートとして提出したとき、教授からC(日本の大学では「可」相当)と評価された。しかし、そのハブ・アンド・スポークシステムこそが、アメリカの広大な国土のほぼ全域でオーバーナイトデリバリー(翌朝配達)を可能にした。このレポートは、現在もフェデックスの本社に飾られている。
1973年 、テネシー州 メンフィス のメンフィス国際空港 に拠点を移し、ダッソー ファルコン20 を使った米国主要25都市への翌日配達サービスを開始。1978年 の航空規制緩和法 により、サービスエリアを急速に拡大した。
1989年 、国際貨物航空会社フライング・タイガー・ライン を買収。1998年 1月、RPS、ロバーツ・エクスプレス(Roberts Express)、バイキング運送(Viking Flight)およびカリバー・ロジステックス(Caliber Logistics)の各会社を子会社に持つコルバー・システム社(Caliber System, Inc.)を買収。続いてアメリカン・フライトウェイズ(American Flightways)を買収。各社の統合後は、フェデックス(FDX Corporation)として知られるようになる。2000年にFedEx Corporationに商号変更。
2000年 に、映画キャスト・アウェイ の中でトム・ハンクス 演じる主人公がフェデックスの社員として登場し、劇中には会長のフレッド・スミスも本人役で出演している。
2004年 2月、書類のコピーおよびプリント・サービスを提供する1,200店舗を持つアメリカのチェーン店「キンコーズ 」(Kinko's)を24億ドルで買収。
2008年、翌年行われる第43回スーパーボウル の広告宣伝から撤退、世界的な不況のため広告費を見直すことが撤退理由として発表された[ 1] 。
2016年5月、オランダの国際物流大手・TNT Express を44億ユーロ で買収し子会社化した。
2019年 、米中貿易戦争 のあおりを受け、多数の貨物を毎日監視する「理不尽な負担」を強いられているとして、アメリカ合衆国商務省 を相手取り連邦地方裁判所に訴えを起こした。フレッド・スミスは、インタビューで「1日に約1,500万個もの貨物を扱うにもかかわらず、(アメリカ合衆国連邦政府 の輸出規制に)1つでも違反があれば1個あたり25万ドルの罰金を科せられる」状態であると語っている[ 2] 。
主要な競争相手は、DHL 、UPS および各国郵便公社、会社(USPS 、カナダ郵便公社 、ロイヤルメール 、JP日本郵便 など)である。
運用ユニットとロゴ
フェデックス・エクスプレスのロゴタイプ
マクドネル・ダグラス MD-11F
ボーイング777F
フェデックスの電気トラック
フェデックスは、複数の運用部門として組織化されており、それぞれが自身のロゴを持っている。いずれのロゴも、Fed は紫色 である。Ex はそれぞれの部門によって別々の色が使われる。会社としてのロゴは灰色 の Ex を使用している。もともとのフェデックスのロゴは橙色 の Ex を用いていたが、それは現在フェデックス・エクスプレスのロゴとして使われている。また、Eとxの間の空白には右向きの矢印(→)を隠し絵 的に見出すことができる。ロゴをデザインしたのは、当時ランドーアソシエイツ に勤めていたリンドン・リーダー(Lindon Leader)[ 3] 。矢印を配置するため、Univers とFutura の特徴を併せ持った独自の書体をデザインした[ 4] 。なお、どのロゴでも「e」と「d」の下の丸み部分がベースライン(「F」や「E」の下端を結ぶ線)よりわずかに下に出ているが、これは上下に丸みを持つ文字とそうでない文字の大きさのバランスを視覚的に揃えるための一般的な手法で、FedExに特有というわけではない(英語版Wikipediaの「en:Baseline (typography) 」参照)。
フェデックス・エクスプレス (Fed Ex Express ) - フェデックス・エクスプレス社は、フェデックス本社の貨物航空 部門子会社として、フェデックス・ブランドの下で貨物航空機(カーゴ機)の運行を担当する。
フェデックス・フリート (Fed Ex Freight )
カリビアン輸送サービス(Caribbean Transport Services)- 2003年 まで、フェデックス・トレード・ネットワークの一部。
フェデックス・グランド (Fed Ex Ground )
フェデックス・ホーム・デリバリー(FedEx Home Delivery)- フェデックス・グランドの1部門。
フェデックス・スマートポスト(FedEx SmartPost)
フェデックス・カスタム・クリティカル (Fed Ex Custom Critical )
パスポート輸送(Passport Transport)
フェデックス・トレード・ネットワークス (Fed Ex Trade Networks )
フェデックス・サービス (Fed Ex Services )
フェデックス・オフィス (Fed Ex Office ) - 旧フェデックス・キンコーズ、日本の「フェデックス キンコーズ(FedEx Kinko's)」は2012年にコニカミノルタ ビジネステクノロジーズに売却され、キンコーズ・ジャパン株式会社 に商号変更。
命名権と冠イベント
アメリカ合衆国 のメリーランド州 ランドーバー郊外にあるNFL ワシントン・レッドスキンズ の本拠地スタジアム「ジャック・ケント・クック・スタジアム」の命名権 を、フェデックスが1999年11月に取得し、スタジアム名が「フェデックスフィールド 」となった。また、同国テネシー州 メンフィス市 中心部に2004年オープンしたフェデックスフォーラム は、NBA メンフィス・グリズリーズ とメンフィス大学 男子バスケットボールチームの本拠地となっている。
フェデックス・セントジュード・クラシック は、メンフィス市で毎年6〜7月に開催されていた世界ゴルフ選手権 のひとつである。1986年からフェデックスがスポンサーを務めているが、2007年からはスタンフォード・フィナンシャル・グループが新スポンサーとなり、フェデックスはスポンサーを降りる予定になっていた。その代わりに年間チャンピオンシップシリーズのフェデックスカップ のスポンサーになった。2011年にはセントジュード・クラシックのスポンサーに復帰している。2019年からブリヂストン招待選手権 の代わりに世界ゴルフ選手権の1戦として開催、大会名もフェデックス・セントジュード・インビテーショナルに変更される。更に2022年よりフェデックスプレーオフ第一戦としてザ・ノーザントラストに代わってフェデックス・セントジュード選手権 として開催。
サッカーではUEFAチャンピオンズリーグ の公式スポンサーとして2021/2022シーズンから務めている。(2018/2019〜2020/2021シーズンまではUEFAヨーロッパリーグ の公式スポンサーを務めていた。※2015/16〜2017/18までのメインスポンサーを含む)
日本法人は、長野県 塩尻市 の塩尻営業所に社会人野球 チームの本拠地登録をしており、都市対抗野球 出場を目指して北信越 代表として挑戦している(FedEx硬式野球部 )。
フェデラルエクスプレス ジャパン
フェデラルエクスプレス ジャパン合同会社 (英 : Federal Express Japan GK )は、千葉県 千葉市 美浜区 中瀬 のワールドビジネスガーデン マリブウエストに本社を置く、フェデックスの日本法人である。
概要
日本国内における貨物の配達は、フェデックスの営業所が直轄している地域は直接配達するほか、2015年12月以降は30kg以下の貨物に限り日本郵便 が行う[ 5] 。2015年12月以前は営業所直轄地域を除き主にセイノースーパーエクスプレス (沖縄県 のみ日本通運 )が行っていた[ 6] 。
2003年 - 2004年には、水素・燃料電池自動車実証プロジェクト (JHFC)の一環としてゼネラルモーターズ から燃料電池自動車 "Hydrogen 3"(オペル ・ザフィーラ がベース)を借り受け、東京都 江東区 の有明営業所で配送車として使用していた。
沿革
1984年 8月2日 - 日本法人が設立[ 7] 。
2014年 4月1日 - 関西国際空港 内に北太平洋地区ハブ(延床面積 3万9,500 m²、貨物仕分能力1時間当たり約9,000個)を開設[ 8] [ 9] [ 10] 。
2016年 12月1日 - フェデラルエクスプレスジャパン株式会社からフェデラルエクスプレスジャパン合同会社 に組織変更[ 11] 。
2020年 10月1日 - ティエヌティエクスプレス合同会社より資産・負債を含む業務を譲受した(当面の間は「TNTエクスプレス」の名称を継続使用する方針)。
航空事故、事件
脚注
出典
関連項目
外部リンク
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銘柄入替日時点でのウェイト順
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