1996年、海外の一流アーティストがCHAGE&ASKAの楽曲をカバーしたトリビュートアルバム
『one voice THE SONGS OF CHAGE&ASKA』が制作され、その中でCHAGE&ASKA自身も英語詞でのセルフカバーで2曲参加。そのうちの1曲が『On Your Mark』の英語バージョン『Castles In The Air』である。
CHAGE and ASKAがデビュー15周年に当たる1994年に発表した楽曲「On Your Mark」のPVをスタジオジブリが手掛けたことで、当時話題となった作品である。CHAGE and ASKAのコンサート会場での上演を目的に制作され[3]、1995~96年のコンサートツアー「SUPER BEST3 MISSION IMPOSSIBLE」の会場で上映された[4]。宮崎駿が原作、脚本、監督を務めているが、台詞はなく、映像と音楽と効果音のみで構成されている。わずか6分48秒(本編は6分40秒)の短編でありながら、映像作品としての完成度は高く未だに根強い人気がある[4]。
楽曲「On Your Mark」では、幾度挫折しようとも諦めずに未来へ向かって走る2人が描かれているが[注 2]、宮崎はそれを、放射能で汚染される世紀末後の未来を舞台に、CHAGEとASKAをモデルにした2人の警官が翼の生えた少女を救うストーリーに仕上げている。地表が放射能で汚染され、病気が蔓延するような世界。そこで生きるとはどういうことなのかを考えながら制作したと語っている[7]。宮崎監督作品としては、『天空の城ラピュタ』以来の本格SFアクション活劇であり、CG技術を初めて使用した作品でもある[4]。
CHAGE and ASKAのコンサート会場で上演されたほか、1995年7月15日、「ジブリ実験劇場」と銘打たれて劇場でも公開される。長編アニメ映画『耳をすませば』の同時上演作品として全国の劇場で上演され、あまりの人気ぶりに当時、長編化の打診もあった[4]。
2005年11月16日にジブリ短編作品を収録したDVD『ジブリがいっぱいSpecial ショートショート』で初DVD化されるが、同DVDではクレジットタイトルの後に「吉田 健氏 (1955-1999)に捧ぐ。」と表示される。吉田健は当時CHAGE and ASKAが所属していたポニーキャニオンのプロデューサーで、CHAGE and ASKAの意向を受けてジブリに本作品の制作を依頼した人物。1999年9月に悪性リンパ腫でこの世を去っている[4]。
2020年3月13日からタワーレコードにて開催された「Breath Of Bless ASKA MUSEUM」で、ASKA私物のセル画が展示された[10]。
上演・放送
1995年7月5日、CHAGE and ASKAのコンサートツアー「CONCERT TOUR '95~'96 SUPER BEST 3 MISSION IMPOSSIBLE」(1995年7月5日 - 1996年1月30日)で初披露された[4]。
1995年7月15日、長編アニメ映画『耳をすませば』との同時上演で劇場初公開された。
2004年、CHAGE and ASKAのコンサートツアー「CHAGE and ASKA CONCERT TOUR 2004 two-five」のアリーナ公演で、「On Your Mark」が歌われる中、ステージバックで映像が流された[11]。