万州(萬州、ばんしゅう)は、中国にかつて存在した州。唐代から明初にかけて、現在の重慶市万州区一帯に設置された。
概要
619年(武徳2年)、唐により信州南浦県が分離されて南浦州が置かれた。南浦州は南浦・梁山・武寧の3県を管轄した。625年(武徳8年)、南浦州は廃止された。南浦・梁山の2県は夔州に、武寧県は忠州に移管されたが、627年(貞観元年)にこの3県をもって浦州が置かれた。634年(貞観8年)、浦州は万州と改称された。742年(天宝元年)、万州は南浦郡と改称された。758年(乾元元年)、南浦郡は万州の称にもどされた。万州は山南東道に属し、南浦・武寧・梁山の3県を管轄した。天宝年間に5179戸、25746人あった[1]。
宋のとき、万州は夔州路に属し、南浦・武寧の2県を管轄した[2]。
元のとき、万州は夔州路に属し、武寧県を管轄した[3]。
1373年(洪武6年)、明により万州は万県に降格し、夔州府に属した[4]。
脚注
- ^ 『旧唐書』地理志二
- ^ 『宋史』地理志五
- ^ 『元史』地理志三
- ^ 『明史』地理志四