伏見稲荷駅(ふしみいなりえき)は、京都府京都市伏見区深草一坪町にある、京阪電気鉄道京阪本線の駅。駅番号はKH34。
概要
京阪電鉄における伏見稲荷大社の最寄り駅である(徒歩5分程度)。
以前は利用客は少なく静かな駅であったが、近年は外国人をはじめとする伏見稲荷大社への参拝客の増加で利用客が急増している。
急行は現在より停車駅数が大幅に少なかった頃から停車しているが、当駅に停車する急行の運転は午前中・夕方(出町柳行き)・夜間(淀方面行き)のみであり、主な停車列車は通勤準急以下の種別に限られる。ただし、毎年正月3が日では参拝客輸送を重視するため、急行を15分間隔で終日運転する正月ダイヤを編成して利便性を確保している。なお、当駅への特急の臨時停車は例年行われていない。
また、JR奈良線稲荷駅でも同様に、正月三が日及び1月4日に限り、みやこ路快速を臨時停車させて乗客をさばいている。なお稲荷大社へは同駅の方が近い(徒歩すぐ)。
歴史
開業当時は伏見稲荷の表参道に近い現・龍谷大前深草駅が稲荷駅を称したが、当初の駅名にある新しい参道が神社に近かったことから1年経たない間にこちらが伏見稲荷の玄関口となった。非常に古い時期から伏見稲荷大社の千本鳥居にちなみ駅の柱を朱塗りにしていたが、太平洋戦争中の一時期・爆撃の目印になるという事で目立たない色に塗り替えられたことがある。
また、駅の南側にあった京都市電稲荷線との平面交差では1931年に800型(元琵琶湖鉄道汽船100形)801F2連の急行が木造の京都市電29号の側面に衝突して市電は全損廃車。1934年にも急行電車が京都市電の側面に衝突して20m以上引きずり死傷者20名以上を出す事故を起こした。1935年に「事故で廃車になった京都市電の事故車弁済として石山坂本線で使われていた80型 (初代)89号車が京都市電に引き渡された」とする記録もある。しかし、どちらの事故の代物弁済かは参考文献の鉄道誌によりそれぞれ1931年の事故、1934年の事故、と解説されており詳細は不明である。その後、大阪行き線路の駅ホームと伏見稲荷踏切の間と京都行き線路の平面交差と深草駅の間に脱線転轍機が設けられ、1960年3月には京阪電車が脱線して衝突を免れたことがあったが、1965年11月28日にも衝突事故が発生している[1]。
平面交差では絶縁区間もあって特急電車も時速25kmに徐行し、ダイヤ上のネックの一つとなっていた。
年表
駅構造
相対式2面2線のホームを持つ地上駅。上下ホーム別々に改札がある上に構内地下道が備えられていないため、改札内で互いのホームを行き来することはできない。上下線とも、通常改札口はホーム丹波橋寄りに、臨時改札口はホーム中ほどに設けられている。トイレは上下線ホームとも改札内にあり、下りホームにはオストメイト対応の多目的トイレも設置されている。駅のホームの柱や柵は朱色に塗られている。
2007年6月の運行管理システム更新に合わせる形で、急行停車駅では最も遅く詳細放送が導入された。同時にLED式列車案内も設置されている。
新たに2017年7月より駅のリニューアル工事に着手し[19]、12月末に完成した[17][18]。
のりば
- 付記事項
- 両ホームとも有効長は8両。
- 正月期間(特に正月三が日)は伏見稲荷大社への参拝客で激しい混雑となるため、臨時の切符売り場や改札口を設置して乗客をさばいている。
利用状況
近年の1日あたり利用客数の推移は下記の通り[21][22]。
年度 |
乗降人員 |
乗車人員
|
2007年 |
6,375 |
3,194
|
2008年 |
6,328 |
3,260
|
2009年 |
5,677 |
2,874
|
2010年 |
5,825 |
2,915
|
2011年 |
6,888 |
3,415
|
2012年 |
5,723 |
2,866
|
2013年 |
6,205 |
3,266
|
2014年 |
8,285 |
4,301
|
2015年 |
10,192 |
5,333
|
2016年 |
9,862 |
4,737
|
2017年 |
11,166 |
6,107
|
2018年 |
11,726 |
6,126
|
2019年 |
13,314 |
7,115
|
2020年 |
4,066 |
2,088
|
2021年 |
3,954 |
1,970
|
2022年 |
7,773 |
3,945
|
駅周辺
-
駅から伏見稲荷大社への道(2017年4月)
-
初詣客で混雑する駅前(2016年1月)
バスのりば
京阪伏見稲荷駅前には、バス路線は乗り入れていない。
- 稲荷大社前
- バス停は駅前すぐではなく、駅から50メートルほど西の師団街道沿いにある
- 勧進橋
- 駅から750メートル西方の国道24号線上にある
隣の駅
- 京阪電気鉄道
- 京阪本線
- ■快速特急「洛楽」・□ライナー・■特急・■通勤快急・■快速急行
- 通過
- ■急行
- 丹波橋駅 (KH30) - 伏見稲荷駅 (KH34) - 七条駅 (KH37)
- ■通勤準急(平日朝下りのみ運転)・■準急・■普通
- 龍谷大前深草駅 (KH33) - 伏見稲荷駅 (KH34) - 鳥羽街道駅 (KH35)
脚注
- ^ a b c d 参考文献・「鉄道ピクトリアル1973年7月増刊号『京阪電気鉄道特集』」のP15、同P78。「関西の鉄道№38『京阪電気鉄道特集Part3』」P67
- ^ a b c d 出典・京阪開業100周年記念誌「京阪百年のあゆみ」(2011年3月24日刊)資料編142頁
- ^ 出典・京阪開業100周年記念誌『京阪百年のあゆみ』(2011年3月24日刊)資料編194頁
- ^ 出典・京阪開業100周年記念誌『京阪百年のあゆみ』(2011年3月24日刊)165頁「台風禍と洪水禍」
- ^ 出典・植村善博著『京都の治水と昭和大水害』第6章「昭和10年6月京都大水害」の{5 土木・交通の被害}の195頁の(4)交通機関
- ^ 出典・鉄道ピクトリアル1984年1月増刊号103頁「車両事情好転で急行列車も復活」
- ^ 出典・鉄道ピクトリアル1984年1月増刊号104頁
- ^ 出典・京阪開業100周年記念誌「京阪百年のあゆみ」(2011年3月24日刊)資料編210頁
- ^ ホームの屋根は大阪行きが86.3m・京都行き85.5mに延長された。出典・「くらしの中の京阪」1986年7月号
- ^ 出典・「くらしの中の京阪」1989年5月号
- ^ 出典・K PRESS2007年5月号16面「くらしのなかの京阪」
- ^ 出典・K PRESS2012年10月号16面「くらしのなかの京阪」
- ^ 出典・K PRESS 2016年6月号16面「くらしの中の京阪」
- ^ 出典・駅置き沿線情報誌『K PRESS』2016年11月号16面「くらしのなかの京阪」
- ^ “4月5日(水)、京阪電車「伏見稲荷駅」構内に いなり寿司専門店「伏見稲荷 千本いなり」がオープン!” (PDF). 京阪電気鉄道 (2017年3月27日). 2017年4月10日閲覧。
- ^ 京阪電車 4駅に 外貨両替機設置 楽天infoseekニュース 12月30日閲覧
- ^ a b 出典・駅置き沿線情報誌『K PRESS』2018年1月号16面「くらしのなかの京阪」
- ^ a b “〜初詣・初売も京阪で!〜 京阪グループのお正月情報について” (PDF). 京阪電気鉄道 (2017年12月21日). 2017年12月29日閲覧。
- ^ “国際的な観光地「伏見稲荷大社」の玄関口 伏見稲荷駅をリニューアルします” (PDF). 京阪電気鉄道 (2017年6月28日). 2017年12月29日閲覧。
- ^ a b “伏見稲荷駅|駅構内図”. 京阪電気鉄道. 2022年9月20日閲覧。
- ^ “京都市統計ポータル/京都市統計書”. 2024年4月6日閲覧。1日平均乗降人員は年度数値を日数で除したものであり、統計表は年1回実施される流動調査の実績を基礎として、京阪の提示する数値を基に京都市が作成している。
- ^ “京都府統計書「鉄道乗車人員」”. 2021年4月13日閲覧。1日平均乗車人員は年度数値を日数で除して算出。
関連項目
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伏見稲荷駅に関連するカテゴリがあります。
外部リンク
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(淀屋橋 - 三条間:京阪本線、三条 - 出町柳間:鴨東線) |
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石清水八幡宮参道ケーブル | |
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*打消線は廃駅 |