石清水八幡宮駅(いわしみずはちまんぐうえき)は、京都府八幡市八幡高坊にある、京阪電気鉄道京阪本線の駅。駅番号はKH26。
本記事では京阪鋼索線のケーブル八幡宮口駅(ケーブルはちまんぐうぐちえき)についても説明する。
概要
石清水八幡宮へ向かう石清水八幡宮参道ケーブル(男山ケーブル)との乗り換え駅であるとともに、駅前にバスターミナルが設けられている。しかし、八幡市内のバス路線の多くが大阪府枚方市北部にある樟葉駅を拠点としていること[注 1]に加え、八幡市の人口重心となっている男山団地が同駅寄りにあるため、当駅の乗降客数は樟葉駅の約6分の1程度[1]に留まっている。
当駅は急行停車駅であり、2003年(平成15年)9月と2008年(平成20年)10月のダイヤ改定で相次いで削減されたが、現在、当駅に停車する急行は、大阪方面が毎日2本、京都方面が平日4本、土休日が8本運転されている。また、京都競馬場での競馬開催日に臨時列車として中之島行きの急行が運転されることもある。
また、毎年1月1日から3日間の正月ダイヤでは、当駅が最寄りの石清水八幡宮や、伏見稲荷駅が最寄りの伏見稲荷大社などへの参拝客をさばいて急行が日中15分間隔で終日運転されている。
歴史
当駅は京阪線の開通とともに設置された駅で、急行運転開始後は急行停車駅として樟葉駅が整備される以前は拠点駅の一つだった。1番線から分岐する形で大阪方に留置用の側線を、京都方と大阪方にそれぞれ逆方向の渡り線を備え、当駅折り返しの列車(A急行など)も設定されていた。開業時は相対式ホーム2面のみだったが、何時副本線(待避線)が設置されたかは不明である[2]。
600V時代は、橋本変電所の改修工事の時や「正月・初午の臨時輸送対策」として留置用の側線に移動変電所181・182(3201・3202)が留置され、自社伏見変電所経由で送電された交流22kVを直流600Vに変電して本線のき電系統に送電していた[3]。
また1960 - 1980年代の大晦日から正月にかけて1番線・4番線に電車を停車させて『待合室電車』として利用された[4]。
1969年頃まで構内踏切が存在していたが、いつ頃構内地下道に切り替えられたか不明。
長らく、京阪本線の急行停車駅で唯一、エレベーターやエスカレーター・多目的トイレなどのバリアフリー対策設備がない駅であった。駅改札内のトイレは京都行きホームの西端に汲み取り式トイレが設置されたのみで、駅前の公衆便所が水洗であることと比較しても駅設備として劣っていた。そのため、バリアフリー対策設備設置工事として淀駅の高架化事業の進展に伴い4番線を撤去し、その跡地の一部を利用してエレベーターやスロープ、多目的トイレの設置などが行われた[5]。バリアフリー対応施設は2010年12月23日から使用開始し、併せて改札内のトイレも移設のうえ水洗化された[6]。
さらに、駅舎の改修工事と照明器具のLED化も行われた。駅舎は上屋をテント化してライトアップする事によりエジソンが発明した白熱電球をイメージしている。コンコース及びトイレの壁面の一部はタイルに張り替えられ、タイル面に緑色のLED照明を当てる事により、八幡の竹をイメージしている。イメージ演出や省電力化についてはパナソニックグループと京阪が共同で検討し、照明機器としてLED照明が150台が設置されている。これら一連の工事は2011年3月に完了した[7][8]。
年表
駅構造
京阪本線と鋼索線の駅舎は独立しているため、乗り換えの際には一度改札から出場しなければならない。
京阪本線
相対式ホーム2面2線を持つ地上駅。
2009年(平成21年)9月11日までは下り線にも待避設備を備えた島式2面4線のホームを持つ地平駅だったが、翌12日のダイヤ改定で手前の淀駅の下り線が高架化に伴い待避線が敷設されたため、当駅の下り待避線(4番線)は使用中止となった。その後線路が撤去され、ホームの4番線側に仮設の柵が設置されて単式ホームとなった。凹形に湾曲している大阪行きの3番ホームの下には転落検知マットやLEDの足下灯が設置されている。その後4番線の線路跡地の東側に水洗トイレ・多目的トイレ・車椅子対応エレベーターが造られ、西側に有料駐輪場が造られた。
駅舎(改札口)は下り線の南側東寄りにあり、下り線西側には初詣・初午での石清水八幡宮への参拝客用の臨時改札(出口専用)もある。但し、ここの臨時改札口を使ってPiTaPaやICOCAで出場する場合、簡易型の専用改札機を使用する事になる。駅舎とホームへは地下道で連絡している。
1976年(昭和51年)9月12日改正以降は基本的に日中は当駅で追い抜きは行われない[31]。待避線である1番線は土休日朝の淀止まりの急行のみ使用していたが、2013年(平成25年)3月改正でそれもなくなり、1番線に発着する定期列車は存在しなくなった。2016年(平成28年)12月に当駅上り待避線(1番線)は使用中止になった。(線路は撤去済み、ホームには柵が設けられた)その影響で看板の付け替えなどがあったがホーム番号の繰り上げはおこなわれていない。
のりば
- 付記事項
- 2番線が上り線、3番線が下り線である。いずれのホームも有効長は8両となっているが、線形の関係でホームがカーブしている。
- 発車メロディが導入されている。
利用状況
2022年(令和4年)度のある特定日における1日乗降人員は7,547人である[* 1]。
近年の利用客数の推移は下記の通り。
年度 |
特定日 |
1日平均[注 2] 乗車人員
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調査日 |
乗降人員
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1990年(平成02年) |
11月06日 |
16,606 |
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1992年(平成04年) |
11月10日 |
17,422 |
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1995年(平成07年) |
11月21日 |
16,182 |
|
1998年(平成10年) |
11月10日 |
14,848 |
|
2000年(平成12年) |
11月07日 |
14,338 |
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2002年(平成14年) |
12月10日 |
[* 2]13,268 |
|
2003年(平成15年) |
10月28日 |
[* 2]12,379 |
|
2004年(平成16年) |
11月09日 |
[* 2]12,072 |
|
2005年(平成17年) |
11月08日 |
[* 2]12,174 |
|
2006年(平成18年) |
11月08日 |
[* 2]11,030 |
[# 1]5,756
|
2007年(平成19年) |
11月07日 |
[* 3]11,475 |
[# 2]5,694
|
2008年(平成20年) |
11月11日 |
[* 4]10,752 |
[# 3]5,622
|
2009年(平成21年) |
11月10日 |
[* 5]10,045 |
[# 4]5,162
|
2010年(平成22年) |
11月09日 |
[* 6]9,884 |
[# 5]5,090
|
2011年(平成23年) |
11月01日 |
[* 7]9,668 |
[# 6]4,934
|
2012年(平成24年) |
10月31日 |
[* 8]9,251 |
[# 7]4,923
|
2013年(平成25年) |
11月12日 |
[* 9]9,280 |
|
2014年(平成26年) |
11月11日 |
[* 10]9,433 |
|
2015年(平成27年) |
11月10日 |
[* 11]9,272 |
|
2016年(平成28年) |
11月08日 |
[* 12]8,558 |
|
2017年(平成29年) |
11月07日 |
[* 13]9,455 |
|
2018年(平成30年) |
11月06日 |
[* 14]8,494 |
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2019年(令和元年) |
11月12日 |
[* 15]9,036 |
|
2020年(令和02年) |
11月10日 |
[* 16]7,394 |
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2021年(令和03年) |
11月09日 |
[* 17]6,882 |
|
2022年(令和04年) |
11月08日 |
[* 1]7,547 |
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駅周辺
駅北側を大谷川が流れる。そこから北へ離れた所を木津川が流れるが、それに沿って京都府道が通る。駅北側と駅南東側は民家が多いが、商店が点在する。航空事故殉難者を祀った飛行神社や映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」のロケ地の1つとなった「たこ焼きいっちやん」[33]はこちら側にあり、たこ焼き店には遠方からファンが訪れることもある[34]。駅南側には男山(鳩ヶ峰)がそびえており、山上には石清水八幡宮がある。
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飛行神社(境内の方を眺める)
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淀川河川公園(背割堤地区)の桜並木
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石清水八幡宮(※男山(鳩ヶ峰)山上にある八幡宮)
ケーブル八幡宮口駅
ケーブル八幡宮口駅(ケーブルはちまんぐうぐちえき)は、京都府八幡市八幡高坊にある、京阪電気鉄道鋼索線の駅。駅番号はKH80。
駅構造
櫛型ホーム2面1線を持つ駅。ホームはそれぞれ乗車用、降車用となっているが、通常は乗車用の1面1線しか使われない。改札口は1ヶ所のみ。正月三が日などの混雑時は本線駅改札付近から鋼索線駅付近まで長蛇の列ができるので、降車用ホームも使用される場合がある。また、鋼索線の当駅付近には乗車待ちの客のための広いスペースがあるが、その際には鋼索客車と同じ塗り分けの仮設臨時出札口を設置して対応する。駅舎に併設して、トイレがある。
バス路線
駅東側のロータリーに「石清水八幡宮駅」停留所があり、京阪バスの路線が発着する。同じ行き先で経路が異なる系統が混在する[35]。
運行事業者
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乗り場
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系統または路線名・行先
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備考
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石清水八幡宮駅
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京阪バス
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1
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32:樟葉駅
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33:西戸津
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41:樟葉駅
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朝から夕方に5便のみ運行
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77:男山車庫
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平日夜に2便のみ運行
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78B:男山車庫
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土曜・休日の日中時間帯に4便のみ運行
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2
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73:石清水八幡宮駅
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平日朝に1便のみ運行(循環系統:内里後回り)
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73A:内里南
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平日深夜に1便のみ運行
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73C:石清水八幡宮駅
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午後に少数のみ運行(循環系統:内里先回り)
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74:近鉄新田辺
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朝と夕方以降のみ運行
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74A:京田辺市役所
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朝から夕方のみ運行。日曜・祝日は運休
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74B:京田辺市役所
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朝から夕方のみ運行。平日・土曜は運休
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75C:近鉄新田辺
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朝と夕方以降のみ運行
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76:岩田南
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76B:池嶋
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平日の朝と宵のうちに1便ずつ運行
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79:三野
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平日深夜に1便のみ運行
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隣の駅
- 京阪電気鉄道
- 京阪本線
- ■快速特急「洛楽」・□ライナー・■特急・■通勤快急・■快速急行
- 通過
- ■急行(下記以外)
- 樟葉駅 (KH24) - 石清水八幡宮駅 (KH26) - 中書島駅 (KH28)
- ■急行(淀駅始終着の列車)(平日下り1本のみ運転)
- 樟葉駅 (KH24) - 石清水八幡宮駅 (KH26) ←淀駅(京都競馬場)(KH27)
- ■通勤準急(平日下りのみ運転)・■準急・■普通
- 橋本駅 (KH25) - 石清水八幡宮駅 (KH26) - 淀駅(京都競馬場)(KH27)
- 鋼索線(石清水八幡宮参道ケーブル)
- ケーブル八幡宮口駅 (KH80) - ケーブル八幡宮山上駅 (KH81)
脚注
注釈
- ^ 京阪宇治交通「地域とともに六十年」では、八幡市側はバス輸送の中心を八幡市駅側にすることを希望したが、京阪宇治交通側および京阪電気鉄道側では、八幡市が当時京都府で唯一、既に大阪都市圏になっていたことに加え、通勤客の比率は大阪側が主で、勢い、樟葉駅側に重点を置くことが望ましいと判断し、協議の結果、まずは京阪宇治交通と京阪バスとの共同運行路線として、くずは(現・樟葉駅。京阪バスは路線開設当初より樟葉駅) - 京阪八幡(京阪バスは路線開設当初は八幡。1994年7月10日に京阪八幡に改称。現・石清水八幡宮駅)間のバスを走らせ、その利用状況を見て改めて検討することとしたが、その結果、八幡市内からのバス輸送の中心を樟葉駅側とすることとした。
- ^ 年度数値を日数で除して算出。
出典
- 京都府統計書
- 八幡市統計書
関連項目
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外部リンク