Defective by Design(「設計不良」の意、もしくは、意訳して「発想からして欠陥」[3]、「設計からして欠陥」)とは、デジタル著作権管理(Digital rights management; DRM)に対抗するため、フリーソフトウェア財団(Free Software Foundation; FSF)により立ち上げられた運動である。DRM(もっともこれに反対する者は「デジタル制約管理」"Digital restrictions management"と呼ぶ[4])は、書籍や(CCCDではない)音声CDのように普通に不自由無く利用できるメディアに慣れ親しんだユーザーが同じように、購入した映画、音楽、文学作品、ソフトウェアそしてハードウェアを自由に使用する権利を阻害する。
Defective by Design運動の原点となる考え方は、DRMが製品の使用を制限するよう故意に欠陥を作り出す設計から成る、という概念である。彼らは、これはデジタル著作物の自由の未来を奪うものである、と主張する。当団体は、「巨大メディア、非協力的なメーカー、DRM頒布者」をターゲットとし、広く啓発するようこの問題を提起し、率先して運動への参加者を増やすことを目的としている。本運動は、社会運動の本流との共通要素を探り、フリーソフトウェアの支持者たちが、社会的に関わるようになることを推奨する、FSFの初めての奮闘のひとつと表現できる。2006年後半時点での登録者は12,000名以上に上ると、当団体は主張していた。
Defective by DesignはFSFとCivicActions両者の共同運動である。後者はアドボカシー・キャンペーンをオンラインで展開する企業組織である。当運動の主催者は、CivicActionsのグレゴリー・ヘラー(Gregory Heller)、FSFの執行役員(executive director)ピーター・T・ブラウン(英語版)、CivicActionsとFSF双方の理事であるヘンリー・プールである。当運動は2006年5月に開催されたWindows Hardware Engineering Conference(英語版)(WinHEC)に合わせ、DRM反対の抗議の声を上げるため立ち上げられた。抗議運動において、FSFのメンバーは黄色の化学防護服に身を包み、本運動のキー・スローガンでもあるフレーズ、「DRM技術を内包するマイクロソフト製品は設計からして欠陥である(defective by design)」との説明が書かれたパンフレットを配布した[7][8]。