岡部 怜央(おかべ れお、1999年4月8日 - )は将棋棋士。加瀬純一七段門下。棋士番号は331。山形県鶴岡市出身。
棋歴
将棋を始めたきっかけは、小学1年生の頃に、2歳上の兄が祖父と指しているのを見て、自然に覚えた[1]。
奨励会には12歳で入会。鶴岡から3~4時間かけて東京に行き、将棋を指して深夜バスで帰り、翌日は朝から学校に行くという生活だった[2]。
三段リーグには第60回(2016年度下期)より参戦。5年間の三段生活は「とても厳しかった。昇段の可能性が消えたリーグはモチベーションを保つのに苦労した」と振り返るほど苦労していた[2]。
3期目までは勝ち星が一桁に止まっていたが、4期目の第63回三段リーグでは13勝5敗の好成績を収めた。しかし、順位が上の山本博志と同じ成績だったため、あと1勝が足りずに4位で昇段を逃した。
10期目となった第69回三段リーグでは、4期目に次ぐ成績である12勝6敗の成績を収めるも、やはり昇段に届かず5位止まりであった。しかし、この成績による5位という高順位が、結果的に次期70回での昇段への足掛かりとなる(後述)[注釈 1]。
11期目の第70回三段リーグ(2021年度下期)では11連勝をするなど好調を維持し、昇段は確定していなかったものの14勝2敗の暫定1位で最終日を迎えた。そのため、前期の成績による高順位(5位)の恩恵もあり、最終日では「2局の内1勝する」、又は「(2連敗の場合でも)昇段争いのライバルである徳田拳士が2連敗するか、片山史龍が1敗する」と昇段確定という、極めて有利な状況であった。結果、1局目は敗れたものの片山も同じく敗れたため、この時点での四段昇段が確定した(最終局は勝利したため、結果的に1位での昇段となった)[3]。
プロ入り後
デビューとなった2022年度は第64期王位戦にて活躍。近藤誠也、佐々木勇気、佐藤康光といった強豪相手に5連勝して、王位リーグ入りを果たした(リーグ戦は白組にて1勝4敗での陥落に終わった)。
人物・エピソード
山形県出身のプロ棋士は阿部健治郎以来13年ぶり4人目[4](他の2人は飯田弘之と北楯修哉)。
兄の岡部寛大も奨励会入りしたが、早く退会した。その後2015年の全国高等学校将棋選手権大会で優勝している[5][6]。
対局の前日はサウナでコンディションを整えている。また、ポーカーをYoutubeで見るのにハマっている[2]。
岡部の四段昇段は、師匠である加瀬純一門下としては16年ぶりとなる、4人目のプロ棋士誕生となった(同門下の女流棋士である加藤圭を加えると5人目)。16年ぶりのプロ入りという事もあり、師匠の加瀬は岡部が昇段した当日に、喜びと感謝の気持ちをTwitterに投稿した[7]。
昇段履歴
昇段規定は、将棋の段級 を参照。
- 2011年09月00日 : 6級 = 奨励会入会
- 2016年04月03日 : 三段(第60回奨励会三段リーグ戦<2016年度後期>からリーグ参加)[8][9]
- 2022年04月01日 : 四段(第70回奨励会三段リーグ成績1位)[10][11]
主な成績
在籍クラス
順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始 年度
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(出典)順位戦
|
(出典)竜王戦
|
期
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名人
|
A級
|
B級
|
C級
|
0
|
期
|
竜王
|
1組
|
2組
|
3組
|
4組
|
5組
|
6組
|
決勝 T
|
|
1組
|
2組
|
1組
|
2組
|
2022
|
81
|
|
|
|
|
|
C255
|
6-4
|
36
|
|
|
|
|
|
|
6組
|
--
|
3-2
|
2023
|
82
|
|
|
|
|
|
C222
|
8-2
|
37
|
|
|
|
|
|
|
6組
|
--
|
|
2024
|
83
|
|
|
|
|
|
C205
|
|
38
|
(開始前)
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順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。 順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 ) 順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。 竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。
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年度別成績
公式棋戦成績
年度 |
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2022
|
37 |
21 |
16 |
0.5675 |
[14]
|
2023
|
39 |
23 |
16 |
0.5897 |
[15]
|
(小計)
|
76 |
44 |
32 |
0.6470 |
|
通算
|
76 |
44 |
32 |
0.6470 |
[16]
|
2023年度まで
|
脚注
注釈
- ^ 最終局の12勝目は、「勝てば昇段」の柵木幹太からの勝利であった。結果的に岡部が柵木の四段昇段を阻止した形となったが、柵木は3期後の第72回三段リーグでプロ入りを決めている。
出典
関連項目
外部リンク
日本将棋連盟所属棋士 ( 現役棋士 および 2024年度引退棋士) |
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タイトル 保持者 【九段 6名】 【七段 1名】 |
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九段 【26名】 | |
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八段 【33名】 | |
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七段 【44名】 | |
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六段 【27名】 | |
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五段 【20名】 | |
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四段 【15名】 | |
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2024年度 引退棋士 |
- 九段 青野照市(2024年6月13日引退)
- 八段 室岡克彦(2024年6月18日引退)
- 八段 中座真(2024年6月19日引退)
- 七段 伊奈祐介(2024年5月10日引退)
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現役棋士 全172名(2024年7月23日時点、日本将棋連盟所属) / △は2024年度の昇段 / 引退棋士の()は引退日 / 詳細は将棋棋士一覧を参照 |
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竜王 | |
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1組 (定員16名) | |
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2組 (定員16名) | |
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3組 (定員16名) | |
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4組 (定員32名) | |
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5組 (定員32名) | |
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6組 (参加70名) |
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★挑戦者 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。 |
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名人 | |
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A級 | |
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B級1組 | |
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B級2組 | |
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C級1組 | |
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C級2組 | |
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フリー クラス
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| 宣言 | |
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棋戦限定 出場 | |
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2024年度 引退者 |
- 伊奈祐介(2024年05月10日 引退)
- 青野照市(2024年06月13日 引退)
- 室岡克彦(2024年06月18日 引退)
- 中座真(2024年06月19日 引退)
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先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの数字は在籍可能残り年数(2024年度開始時点) B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点 2で降級、C級2組は降級点 3で降級) 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照 |
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